洗濯バサミで作られたかき氷やホタル、線香花火の写真「ぼくと洗濯バサミの夏休み」が、SNSで「どれも本物にしか見えない」と話題になった。“洗濯バサミ”に魅了され写真を取り続けるフォトグラファーの岡本なうさんに話を聞いた。
【写真】バルス…『ラピュタ』飛行石も! まっくろくろすけ他、洗濯バサミで再現したアート作品の数々 洗濯バサミからは想像もできない再現アートに、「発想力底無しですね」「脳内で『少年時代』が流れました」などと驚きのコメントが寄せられた。きっかけは、「2021年に大好きだった祖母が亡くなり、縁側で西日に染まる洗濯バサミを見ていた時に、一瞬にして見方が変わった」ことだった。
「“洗濯バサミは美しい”というそれまでの自分にはなかった感覚、それが洗濯バサミの魅力に気がついた瞬間でした。『あの時の感動や思い描いたイメージはどういうことなんだろう…』と自問自答をしながら、“洗濯バサミの美しさ”をわかりやすく伝えられるように撮影しています」
季節感を意識し、再現する際には「360度どの角度からも似ているものではない」と思い、撮影している。
「角度など、一瞬だけそれっぽく見える瞬間があるのではないかと感じていて、それをカメラで追求しています。それと見てくれる方の柔軟な発送と感性の豊かさに助けられています」
岡本さんは「洗濯バサミで何でもできる」と思ったことはなく、「洗濯バサミは、主に洗濯物をはさむものだ」という気持ちでいると言う。
「“洗濯バサミ=作品を作る部品や素材”という認識はなく、それ自体が魅力的なものだと思っています。素材や部品という認識が先行していたら、これまで撮影したものは何ひとつできなかったし、そもそも制作していないです」
洗濯バサミは形や色の種類に限りがあるため、「とにかく何ひとつ自分の思うようにはいかないです。逆に、『再現しやすい』と思ったものは、いままで見つかっていないです」と試行錯誤した結果、作品が生まれている。