アルピーヌのピエール・ガスリーは、F1第16戦イタリアGPの決勝レースでの接触によりペナルティポイントを付与され第17戦アゼルバイジャンGPを出場停止になったケビン・マグヌッセン(ハース)について、ペナルティの裁定に少し驚いたと明かした。
マグヌッセンは、イタリアGPの序盤にガスリーとターン4(ロッジア)のシケインでポジション争いをした際に、回避可能だったにもかかわらず衝突したことでペナルティポイントを2点を科されて12ポイントの制限に達した。そのためこのシステムが導入されて以来、1レース出場停止処分を受けた最初のドライバーとなった。
前回ドライバーが1レースの出場停止処分を受けたのは、12年前の2012年イタリアGPでのことだ。前戦のベルギーGPでのスタート直後、ロータスのロマン・グロージャンが、ルイス・ハミルトン(当時マクラーレン)とフェルナンド・アロンソ(当時フェラーリ)を含む4台のマシンをリタイアに追い込み、1レースの出場停止処分を受けたのだ。
マグヌッセンのペナルティのなかで、特に今年のサウジアラビアGPとマイアミGPで科されたペナルティについては、本人でさえ異議を唱えなかった。しかしモンツァでマグヌッセンは、彼が非常に大きな代償を払うことになったインシデントに関わったドライバーのガスリーをはじめ、一部の仲間たちから支持を得た。
ガスリーはインシデントについて「何でもなかった」と認めた。
「誰かが、彼が10秒ペナルティを受けたと言っていた。それには少し驚いている。彼は努力したが、ちょっとしたホイール・トゥ・ホイールだった。結局、僕はタイムを失わなかった。少し驚いているよ」
苦境に陥ったマグヌッセンにペナルティポイントが2点追加されたことで、アゼルバイジャンGPへ出場できなくなると聞かされたガスリーは、「どうにかして彼らが処分を取り消すことができるよう願っている。間違いなく不公平だからだ」と主張している。
昨年初め、自身も1レース出場停止処分を受ける可能性に直面してレースをしていたガスリーは、マグヌッセンのような状況に置かれることは楽なことではないと認め、次のように述べた。
「レースに対し適切に、あるいは思い通りにアプローチすることができなくなる。僕もさまざまな理由で同じような状況にいたけれど、よい立場ではない」
またマグヌッセンのペナルティを覆すためにスチュワードと話をするかどうか尋ねられたガスリーは、驚いたことに「喜んでやるよ。自分に何ができるか考える。あのインシデントについては、とても不公平に感じるだろう!」と語った。
ペナルティポイントの付与のやり方に反対する主張を長年行ってきたベテランのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、マグヌッセンに「100%」同情していると述べ、「ペナルティポイントは、何度も議論したように危険な運転に対するものであり、スポーツや他の人たちにとって危険な場合に科されるべきだ」と主張した。
「彼が積み上げたポイントのうちの一部については、僕はよく知らない。ここにリストはないけれど、ピットレーンの白線や危険なリリースだけのときもある。そういうことはすべてレースの一部だ。そういうことは、ドライブスルーか、5秒ペナルティだ。レースについてのペナルティは理解できるけれど、安全上のペナルティは少々理解しにくい」