「3年目の浮気」の大ヒットで知られるヒロシ&キーボーのボーカル、黒沢博さんが7日、亡くなったことが明らかになった。実兄で歌手の黒沢年雄(80)が同日、自身のブログで報告した。
黒沢年雄はブログで「博が…亡くなった…。僕にはふたつ違いの三人の弟がいる…三番目の弟が博…。大ヒットした"三年目の浮気"のヒロシ&キーボーの博である」と書き出し、悲しみをつづった。
続けて「僕ら兄弟は大変な時代に生まれ育った…特に僕が16歳、その下が14歳…博は12歳、その下が10歳の時に…母親が40歳の若さで亡くなりました」と、幼少期の苦しい日々を振り返り、「想像を絶する波瀾万丈の日々でした…僕は高校を辞め弟たちのために必死に働きました。スターになって金持ちになるという不純な動機でしたが、それが現実となり、弟たちの就職先も決まっていきました」と回顧した。
黒沢博さんが「3年目の浮気」でヒットを飛ばすことになった経緯についても触れ、年雄は「ある時、仲間の作詞作曲家・佐々木勉さんから、僕が結婚して三年目の頃に“黒ちゃんにぴったりの曲ができたから歌ってくれ”との要望があった。それが“3年目の浮気”だった。聴いて直ぐに気に入らず断った」と明かした。しかし、「暫くして弟の博が歌っているではないか。それからは皆さんがご存知の大ヒットだった」と綴り、博さんの成功を喜ぶ一方で、その後の困難な状況も語った。
博さんの最期の瞬間にも触れ、「昨夜、口の聞けない博にいっぱい話しかけました… 博がいつも、兄貴はスーパーマンだと言っていたので、耳元で冗談に“俺はスーパーマンだから全て任せて安心しろ”と言ったら、彼はとても喜び、僕の手を強く握り返して涙を流していた」と振り返る。しかし、その後、病状が急変し、年雄が病院に駆けつけたときには、すでに博さんは亡くなっていたという。
最後は「今は幼い頃の博が頭に蘇って涙が止まりません」と結んだ。