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少女漫画雑誌が軒並み苦境に陥っている。日本雑誌協会が8月7日に公表した2024年4月〜2024年6月の3ヶ月ごとの平均印刷部数によると、「りぼん」が約11万8333部で、「ちゃお」が約10万6667部。かつて「りぼん」は約250万部、「ちゃお」は約100万部を突破していたことがあったが、部数が深刻に落ち込んでいることがわかる。
数ある少女漫画雑誌のなかでも、「りぼん」「なかよし」「ちゃお」は“3大少女漫画雑誌”と言われている。しかし、現在「なかよし」は約2万8667部まで減少。『美少女戦士セーラームーン』の連載時には約200万部を発行していたことを考えると、約71分の1まで部数が減少してしまったことがわかる。
他の少女漫画雑誌の部数を見てみると、「花とゆめ」4万2500部、「別冊マーガレット」3万7333部、「Sho-Comi」が1万2400部、「マーガレット」1万1800部である。実売部数はもっと少ないはずで、書店でも少女漫画雑誌のコーナーは縮小されつつある。以前はコンビニにも配本が行われていたが、雑誌によってはゼロか、あっても1〜2部というケースが増えているという。
かつては女の子が必ず通る道といわれた少女漫画だが、娯楽の多様化に伴い、新規の読者獲得に苦戦している。その最大の要因は、少女漫画のメディアミックスがうまく行われていないためだと、現役の漫画雑誌の編集者はこう語る。
「1990年代まで、ゴールデンタイムには少女漫画原作のアニメが必ずと言っていいほど放送されていましたが、現在は見る影もない状態。アニメのプロデューサーも少女漫画をそもそも読んでいないので、存在すら知らないことが多く、アニメ化の俎上にすら上がらないんです。編集部もメディアミックスを進めるべく、原作を積極に売り込んでいかないと、読者離れがますます進むのではないでしょうか」
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また、「週刊少年ジャンプ」も90年代の読者は9割が男の子だったとされるが、近年は女性の読者も増えているという。少年漫画雑誌をはじめ、『【推しの子】』のヒットに伴う青年漫画雑誌、さらには「まんがタイムきらら」などの萌え系4コマ漫画雑誌にも、以前から少女漫画雑誌を読んでいたであろう読者が流入しているといい、雑誌間での読者の奪い合いになっているようだ。先の編集者はこう話す。
「最近、男性向けのラブコメ漫画や萌え系4コマ漫画のメディアミックスが盛んなのは、とにかくグッズが出しやすいから。それに海外展開もしやすいんです。対して、少女漫画はグッズを出しにくいうえ、恋愛主体のストーリーは海外で受けにくい。雑誌の部数が落ち込むだけでなく、単行本の初版の発行部数も抑えられる傾向があり、漫画家の少女漫画離れが進む。まさに、負のスパイラルに陥っているといえるでしょう」
もちろん、近年の深刻な少子化も、少女漫画雑誌に影を落としているのは言うまでもない。編集者は、「今後、少女漫画雑誌の休刊が続くのではないかと考えていますし、少女漫画というジャンルが消滅するのではないか」と予想し、「男性向け、女性向け、という漫画の分類も過去のものになると思います」という。しかし、時代の流れとは言え、歴史ある雑誌の部数減少は寂しいものである。
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