絵本「PIHOTEK 北極を風と歩く」をショートアニメ化したアニエホン「PIHOTEK(ピヒュッティ) 北極を風と歩く」が9月6日(金)から放送・配信中だ。
講談社の絵本をショートアニメにしてTVCMやWEB上で公開するプロジェクト“アニエホン”第3弾となる本作。原作は、極地冒険家の荻田泰永が文を、「世界で最も美しい本コンクール」銀賞受賞の井上奈奈が絵を担当した絵本。北極をたった一人で歩く"僕"の一日を描いた作品で、第28回日本絵本賞大賞を受賞している。
アニメーション制作は『映画 すみっコぐらし』シリーズや「アグレッシブ烈子」(NETFLIX)などを手掛けるファンワークスが担当。NHK「みんなのうた」などで活躍するホッチカズヒロが監督を務め、奥行きや雄大な自然を表現するために背景に3DCGを取り入れたシーンもあり、北極の地を生きる臨場感を繊細かつ優しい色彩で描いた。
音楽は羽深由理が担当し、イヌイットに伝わる独特の発声法による歌と弦楽器を組み合わせ、幻想的な世界感を表現している。
30秒のショートバージョンは全国のTVCMで放送され、WEB上ではディレクターズカット版となる2分のロングバージョンを公開する。英語字幕版も用意され、海外への発信も視野に入れている。
原作者の荻田氏は「命、生と死、風に仮託したメッセージが、このアニメーションがきっかけとなって、世界に吹き渡っていくことができれば嬉しい限りです」とコメントしている。
コメント
【監督】ホッチ カズヒロ
北極のどこまでも続く大自然をたった一人で風と歩いていく、詩的で、哲学的で、大冒険であり、また日々の繰り返しでもある。
私はすぐ「ピヒュッティ」の北極の世界観に引き込まれてしまいました。
その映像化に携わらせていただき大変光栄です。
特殊な印刷のきらめく描線、かわいらしい動物たちの登場する静かな前半と
後半のページをめくると次々移り変わる展開と色彩。
その色の美しさを日々変化し続ける光の色彩と捉えさせていただき、
北極のどこまでも続く壮大な風景をアニメーションの力で膨らませて表現させていただきました。
このアニメが絵本の魅力を伝える一助となれば幸いです。
【音楽】羽深由理
北極をたった一人で歩く、命と死を感じる美しい物語を
音楽で表現することは難しく、非常にやりがいがありました。
中間部ではthroat singing(喉歌)の素材を用い、
「夢うつつのあわい」の世界観を音楽で広げることを試みました。
【原作者】荻田泰永(文)
私の心の中にあった心象風景の北極冒険を、井上奈奈さんの素晴らしい表現で絵本として完成した時にも感動しましたが、まさかそれがアニメーションとして動き出すとは。
動物たち、空から降りてくる暗闇、あわいの世界、そして吹き渡る風。
命、生と死、風に仮託したメッセージが、このアニメーションがきっかけとなって、世界に吹き渡っていくことができれば嬉しい限りです。
冒険という行為は、冒険者自身を思いもよらない世界に連れて行ってくれます。
「PIHOTEK」がこれからどんな冒険をして行くのか、作者として楽しみです。
【原作者】井上奈奈(絵)
自身が生み出した世界がアニメーション化されるという幸福な機会に恵まれ、『PIHOTEK』を絵本にするために数えきれないほどのスケッチを重ねた日々を思い出しています。
雪の中、白い息を吐きながら一心不乱に進む主人公。
ウサギたちが身を寄せ合い、暖をとる姿。
全速力で駆ける狼と、必死に逃げるカリブー。
アニメーションが完成し、絵本の「頁と頁の間の世界」が可視化されたようで胸が高鳴りました。
主人公がテントで眠ったあとの世界では、アニメーションならではの世界が表現されています。
「PIHOTEK 北極を風と歩く」というタイトルにふさわしく、この物語が世界中に旅を続けてくれますように。
アニエホン「PIHOTEK(ピヒュッティ) 北極を風と歩く」は9月6日(金)正午12時よりアニエホンチャンネル(YouTube)にて配信中。
(シネマカフェ編集部)