◆ 吉井監督「ベテランが大活躍して助かりました」
ロッテの荻野貴司が8日の楽天戦、途中出場し3安打をマークした。
荻野は5−3の5回一死一、二塁の場面、角中勝也の代打で登場。弓削隼人が1ボール2ストライクから投じた3球目のフォークをセンター前に弾き返しチャンスを広げると、続くポランコがセンター前に適時打を放った。
6−4の7回無死走者なしの第2打席は、宋家豪が1ボール1ストライクから投じた3球目のスライダーを右中間に放ち、スピードを緩めることなく一気に三塁を陥れ、愛斗の三塁線を破るあたりで7点目のホームを踏んだ。
勢いの止まらない荻野は、9−5の8回二死走者なしの第3打席、渡辺翔太のストレートをレフト前に放ち、猛打賞を達成。
吉井理人監督は試合後、「本当は昨日(9月7日の楽天戦)打って欲しかったんですけどね(笑)」と、ブラックジョークを交えながらも、「あとは今日(9月8日の楽天戦)おじさんたちベテランが大活躍して助かりました」と感謝した。
◆ 途中出場で好成績
長年マリーンズのレギュラーとして引っ張ってきた荻野だが、今季は出場70試合中、スタメン出場は30試合と途中からの出場の方が多い。
荻野は「試合の状況を見ながら、自分で裏で動きながら、流れを読みながらやっています」と、自身の出番に備えて準備をする。
開幕直後の取材で、途中出場の際、準備の重要性を口にしていたが、シーズンも最終盤に差し掛かり、準備の質、途中出場するにあたって自身の中で確立したルーティンなどはあるのだろうかーー。
「なんとなくこういう場面で行くのかなというのはわかっています。怪我しないように怪我予防のストレッチ、ウォーミングアップをしっかりしていますね」。
途中出場して8日の楽天戦では3安打するなど、今季は途中出場した時の打撃成績は.320(50−16)、1本塁打、5打点の好成績を残す。
『右足腓腹筋の筋損傷』のために7月12日に一軍登録を抹消され、8月2日に再格後の打撃について荻野は「良かったり悪かったりですね」とし、「ちょっと体の上と下のバランスが合わなかったりというところでそこを修正したいなと思います」と語った。上半身と下半身の連動性を出すために「体の張りとかを取りながらやっています」とのことだ。
ファンはマリーンズの勝利を望んでいる。荻野も「まずは本当に勝ちを届けたい」と力を込める。最年長の荻野から見てチームの雰囲気について「特に悪くないですし、しっかり前を向いてやっていると思います」とのことで、最年長としてチームを引っ張っていこうということは「特にないです、本当に自分のやれることを精一杯やっているという感じです」と明かした。残り18試合、1つでも上の順位で終えるため、自身の役割を果たしていく。
取材・文=岩下雄太