「iPhone 16/16 Pro」の実機を速攻チェック 新搭載の「カメラコントロール」や“大きくなった”Proはどう?

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2024年09月10日 15:31  ITmedia Mobile

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iPhone 16(左)とiPhone 16 Plus(右)

 Appleは、iPhone 16シリーズ4機種を9月9日(現地時間)に発表した。ティム・クックCEOが「Apple Intelligenceのために一から設計された最初のiPhone」と評したように、同シリーズは全モデルがApple Intelligenceに対応。その処理速度も、唯一Apple Intelligenceをアップデートで利用できるiPhone 15 Pro/Pro Maxと比べ、15%ほど高速化しているという。ここでは、その4機種を写真とともに解説していく。


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●Proに比べるとカジュアルな仕上げのiPhone 16 カメラの配置を刷新


 ノーマルモデルとして初めてApple Intelligenceに対応したのが、iPhone 16とその大画面版のiPhone 16 Plusだ。画面サイズは前モデルと同じ6.1型と6.7型。すりガラスのようなカラフルな背面で、Proモデルと比べるとカジュアルな仕上げになっている。


 前モデルからの違いとして、カメラの配置が見直され、超広角カメラと広角カメラが縦一列に並ぶようになった。これによって、空間動画や空間写真が撮影可能になった。また、超広角カメラがマクロ撮影に対応した。


●「カメラコントロール」はズームからの撮影が快適


 iPhone 15 Proで好評だったアクションボンタンも、そのまま取り入れている。また、右側面には新たに「カメラコントロール」を搭載。Proモデルと、側面のボタンの差がなくなった。カメラコントロールは、シャッターボタンのように使えるキーだが、いわゆる物理キーではなく、感圧センサーとハプティックフィードバックで押し込んだような感覚を再現している。


 半押しと押し込みに対応している他、左右にスワイプしてズームの倍率を切り替えたり、新しくなったフォトグラフスタイルの効果を切り替えたりといった操作を行える。iPhoneを横位置で持ったときに便利なボタンだ。ただし、現時点では半押しでのフォーカスロックには対応しておらず、デジカメのように操作できるというわけではない点には注意が必要になる。


 実際にこのボタンを使って撮影してみたが、確かにズームの操作が簡単で、そのままシャッターを押せば撮影できるのは便利だ。横位置なら、本体を両手でホールドして人差し指を当てればいいので、画面上のボタンをタップするより、持ったときの安定感がある。ただし、いわゆる物理キーではないため、半押し操作がやや難しかった印象だ。フォーカスロックが入ってきた際には、慣れが必要になるかもしれない。


 カメラコントロールはApple Intelligenceとも連動する予定で、看板や風景など、目の前にあるものを生成AIに質問する際に活用できるようになる。いわば、カメラがApple Intelligenceの目で、それを呼び出すためのボタンがカメラコントロールになるというわけだ。残念ながら、現時点ではまだこの機能はハンズオンエリアにあった実機には実装されていなかったが、直感的に生成AIを使える機能として注目しておきたい。


●Proモデルは狭額縁化によってディスプレイサイズほど大型化せず


 Proモデルも、カメラコントロールに対応。側面のボタンはノーマルモデルとProモデルで共通になった。一方で、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxは、それぞれディスプレイサイズが大型化し、iPhone 16 Proが6.3型、iPhone 16 Pro Maxが6.9型に拡大。それぞれ、0.2型ずつ面積が広がっている。


 先代のモデルと並べて撮った写真を見ると分かりやすいが、これは、ディスプレイのベゼルを細くし、表示領域を広げたためだ。この改善のおかげで、単に画面サイズが大きいだけでなく、見た目もよりシャープな印象になった。狭額縁化で画面サイズを上げているため、横幅のサイズアップは0.9mmに抑えられている。画面サイズほどボディーは大型化していない。ハンズオンの短期間での利用ということもあってか、持ち比べても、それほど大きな差は感じられなかった。


 カメラは、ハードウェアとして超広角カメラが12メガピクセルから48メガピクセルに画素数を上げ、マクロ撮影の画質が大きく上がっている。また、望遠カメラは、もともとiPhone 15 Pro Maxのみだった光学5倍ズームが、小型サイズにも広がり、2モデルでスペックがそろえられた。サイズや重量が許容できず、泣く泣く5倍ズームを諦めていたユーザーには、うれしいアップデートといえそうだ。


●Apple Intelligenceは米国英語のみ対応 言語変更で日本でも使える


 4機種とも、Apple Intelligenceに対応しており、メールの文章作成や、やりとりが続いたメールの要約などが可能。Siriもより賢くなっており、文脈を読み取ってくれる。また、iPhone版の消しゴムマジックともいえそうな、映り込んだ一部の被写体を消去する機能も備える。ただし、これらの機能はいずれも米国英語のみの対応。本体の設定で、言語を変更する必要がある。基調講演でアナウンスされたように、日本語への対応は2025年を予定している。


 ただし、設定を英語に変更しさえすれば、日本で発売されたiPhoneでもApple Intelligenceを利用することは可能だ。メールを英語で書く機能は、普段から英語でやりとりしている人以外に出番は少ないかもしれないが、画像編集など、言語を問わない機能もある。また、英語で行われている発表会を見るような場面では、ボイスメモの文字起こしや要約が役に立ちそうだ。日本語対応はしていないが、使いどころがまったくないわけではない。


 ちなみに、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxは、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxに続き、本体のフレームにチタンが採用されている。その仕上げが少々変わっており、より光沢が強くなった印象。カラーリングも含めて、全体的に高級感が高まったように見えた。ノーマルモデルのiPhoneがカジュアルな仕上げになっているのに対し、価格相応の質感を出し、外観でも差別化を図っていることがうかがえた。



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