中部地方の都市ガス大手「東邦ガス」(名古屋市)が税法上認められない会計処理をしたとして、名古屋国税局から約200億円の申告漏れを指摘されていたことが10日、関係者への取材で分かった。同社は約55億円の追徴課税を納付した一方、「当局との見解に相違がある」として国税不服審判所に審査を請求した。
関係者によると、同社は液化天然ガス(LNG)の原料調達の変動リスクを低減するデリバティブ(金融派生商品)の取引の損益を巡り、翌年度以降に計上を繰り延べる処理をした。
国税局は繰り延べ処理ができる条件を満たしていないと判断。所得を少なく申告したとして、2019年3月期から22年3月期までの4年間で、約200億円の課税所得などの申告漏れを指摘した。
東邦ガスの話 所得計上の時期について、当局と認識に相違があり、不服申し立てをしている。