日本臨床救急医学会などは10日、2022年12月〜23年12月に救命救急センターに搬送された自傷行為や自殺未遂をした人に関する報告書を公表した。搬送されたのは計1987件で、女性が約6割を占めた。20代が最も多く、男女いずれも医薬品のオーバードーズ(過剰摂取)が最多だった。
毎年の自殺者数は厚生労働省や警察庁が公表しているが、自傷行為や自殺未遂をした人の年齢や性別、社会経済状況などを分析した全国調査は初めて。学会と厚労相の指定法人「いのち支える自殺対策推進センター」が、全国約300の救命救急センターのうち44機関から集めた患者データを分析し、年次報告書として公表した。
搬送件数の内訳は、男性733件、女性1254件。年代別では20代が最多で、30代が続いた。10〜20代では女性が男性の2倍以上に上ったが、60歳以上では男女差がほぼなかった。
発生した時間帯は、男女いずれも午後6〜8時台が最多で、午前3〜8時台は少なかった。手段を複数回答で尋ねると、医薬品のオーバードーズがいずれの年代でも最も多く、30歳未満では63.7%だった。男女別では男性が約4割だったのに対し、女性は7割近くに上った。