俳優の松坂桃李が長年温めてきた原案をもとに、松坂自身が主演を務め、松居大悟、沖田修一、齊藤工の3人の監督とタッグを組んで映像化した番組『月刊 松坂桃李』(全3回)が、WOWOWで10月20日(後9:00〜)から3ヶ月連続放送・配信される。
【画像】そのほかの場面写真、監督の写真も 映画・ドラマ・舞台と幅広い役柄を演じる俳優・松坂が持つ、世の中にはあまり知られていない意外な趣味の一つが、架空の映画を妄想しイメージを膨らませるというもの。数年前まで雑誌「+act(プラスアクト)」(ワニブックス)で「妄想・松坂桃李」という連載をしており、それを見たWOWOWのプロデューサーから「この中の何本か本当に撮りませんか?」と持ち掛けられた。
松坂は「オファーがあった時は本当にビックリしました。こんなふざけた企画に監督や各部署のスタッフ、そもそもキャストが集まってくれるのだろうか。とても心配でした。そんな僕の心配に反して、まさかの素敵な方々が集まって下さり、想像をはるかに超える作品が出来上がりました」と話している。
集まった監督が、上記の3人。10月号では松居監督が「横★須★賀 探偵事務所」、11月号(11月17日放送)では沖田監督が「ダンディ・ボーイ。」、12月号(12月15日放送)では齊藤監督が「何もきこえない。」をそれぞれ映像化。探偵・龍哉役、漫画家を目指す青年・吉男役、AI・Ho-1役と上記すべての作品で松坂が主演を務める。
番組では、本編映像に加え、メイキングやインタビューなども盛り込まれ、各作品の裏側まで紹介。松坂の妄想から生まれた3作品を各監督が松坂、今後発表される共演陣とともにどのように描き出したのかをつまびらかにする。
松坂は「それぞれの監督の色が濃く、鮮明に表されている3本の作品は、僕の妄想よりも想像力豊かな作品になっていますので、楽しみにしていて下さい」と呼び掛けている。
■10月号 松居大悟監督「横★須★賀 探偵事務所」特集
横須賀にある探偵事務所。便利屋のような仕事が多く、探偵・龍哉(松坂)は愚痴っている。しかしアルバイト助手の女子高校生・さやは、この事務所にはその程度の仕事がいいところと感じている。そんな中、甲本という客が訪れ、ある男を捜してほしいと言う…。10月号では、撮影現場でのメイキング、インタビューなど貴重な映像満載、最後に松居大悟監督スペシャルエディションの特別映像が登場する。
■11月号 沖田修一監督「ダンディ・ボーイ。」特集
大学生の吉男(松坂)は、彼女・ちはると楽しい大学生活を送っていた。一念発起して漫画家を目指すことを決め、漫画を描き続ける日々。そんな中、組長の娘である少女と出会う。抗争に巻き込まれた彼女を救うため、吉男は自分が描くヒーロー漫画の主人公のように戦い始める。11月号では、ほっこりした撮影現場風景をたっぷり紹介し、さらに沖田修一バージョンのダンディ・ボーイがさっそうと現われる。
■12月号齊藤工監督「何もきこえない。」特集
核エネルギーの事故により、人類が激減した2065年。AIのHo-1(松坂)は人間の女性サツキのもとで暮らしていた。AIに人間が支配されると考え破壊活動を行なうアキラは、サツキをターゲットに定める。無残な姿になった彼女を見て、感情が無かったはずのHo-1はアキラを追い詰める。12月号では、齊藤工監督の撮影現場での演出ぶり、その独特な映像マジックを紹介する。
■松坂桃李のコメント
本日解禁となりました「月刊 松坂桃李」。
知っている方もいるかもしれませんが、数年前まで「+act」の連載で「妄想・松坂桃李」というページがありました。僕の妄想を映画のフライヤー風に作り、実在する作品かのように紹介する、という趣旨で、10年ほど続いていました。
WOWOWのプロデューサーさんから「この中の何本か本当に撮りませんか?」とオファーがあった時は本当にビックリしました。こんなふざけた企画に監督や各部署のスタッフ、そもそもキャストが集まってくれるのだろうか。とても心配でした。そんな僕の心配に反して、まさかの素敵な方々が集まって下さり、想像をはるかに超える作品が出来上がりました。
今回、松居大悟さん・沖田修一さん・齊藤工さん、という個性豊かな3人の監督に、撮っていただきました。
松居監督は面識はなかったのですが、ご一緒してみたかった監督の1人です。ご自身が俳優もやっているからか、一つひとつのシーンに対する答えが役者目線からくる演出だったりもして。すごくわかりやすく、その言葉からくる情熱に感化され、僕自身もいろんなものを引き出してもらいました。本作を松居大悟監督に撮ってもらってよかったと、心から思っています。
沖田監督は一度、雑誌の対談でご一緒したことがあります。本作ならではの温もりや、主人公のダメさ加減からくるほっこり感やヒューマンな物語を具現化できるのは沖田監督しかいないと連載当時から思っていました。沖田監督にしか撮れないようなカットがたくさんあり、やはり間違いはありませんでした。
齊藤監督とは俳優として共演したことはありますが、監督として現場でご一緒するのは初めてで、監督の時の齊藤さんは物事を俯瞰で見ていて、常に冷静で新しいことをどんどん取り入れていく、新しいスタイルの監督だと実感する瞬間がたくさんありました。齊藤監督によって、僕の妄想は、よりアーティスティックな作品になったと思います。
それぞれの監督の色が濃く、鮮明に表されている3本の作品は、僕の妄想よりも想像力豊かな作品になっていますので、楽しみにしていて下さい。
■松居大悟監督のコメント
常に時代を代表する探偵映画があるなかで、今この時代にどんな探偵像を描くべきだろうか。松坂桃李さんと、令和の探偵ものを目指そうと挑みました。「横★須★賀 探偵事務所」というタイトルです。横須賀の空気を浴びながら、松坂さん演じる龍哉の背中を追いかけていきました。いや演じるとも違いますね、現場での松坂さんは龍哉そのものでした。龍哉というのが役だったのか、それとも松坂桃李役が龍哉だったのか、龍哉が松坂桃李だったのか。他の監督の皆さまがどのような作品なのかわからず緊張しますが、まったく違う雰囲気の作品のようでそちらも楽しみです。
■沖田修一監督のコメント
松坂桃李さんと、以前、雑誌の対談をさせていただいたことがありました。その時から、何かお仕事をご一緒したいなと思い続けて、10年が経っていました。このような、ワクワクする企画に、声をかけていただき、とてもうれしかったです。そもそも、妄想・松坂桃李のような本を作っている時点で、かなり変わっていると思いますし、イタズラ心がある方だなと思いました。撮影中も、物腰柔らかで、いろいろと柔軟に受け止めてくださる松坂さんのおかげで、とても楽しい撮影になりました。
3監督で3作品ということで、いろいろな松坂さんを、少しづつ楽しめる、とても贅沢な企画だと思います。どれが本当で、どれが妄想か、わからなくなってくるような、とても不思議な企画を、普段とはちょっと違う感じで、ぜひ楽しんで観ていただけたら幸いです。
■齊藤工監督のコメント
松坂さんは柔軟かつ表現はソリッドで、周りへのお気遣いを常にして下さる、理想的な主演の佇まいでした。さらには原案者でもあられるので、共に作品のゴール地点を定め、心強く邁進出来ました。せっかくの機会なので、松坂桃李ファンの私としても、見たことの無い松坂桃李さんを見たい!と言う一念でこのプロジェクト臨ませていただきました。素晴らしいキャスト、スタッフ方に恵まれて、絶妙な作品が誕生しました。皆様に届きます様に。