フタバは9月9日、大人の読書に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2024年7月17日〜7月19日、20〜70代の男女200名を対象にインターネットで行われた。
○そもそも「読書習慣がない」人が多い
「1か月に何冊程度の本を読みますか?」と質問したところ、「全く読まない」が最も多く60名、次いで「1冊」と答えた人が59名だった。
一定の読書習慣をもつ層が存在する一方で、全く読まない方も同数程度に達しており、生活の中で読書の優先順位が低い人も多いようだ。また、5冊以上読むという読書に積極的な層も一定数おり、大人の読書習慣には大きな個人差があることがわかった。
「全く読まない」を選択した人からは、「やる事が多過ぎて時間が無い」(30代男性)、「仕事や家事、子どもの用事があり時間がないため」(30代女性)、「本を読みたいとは思うけど、時間が空くと結局他にやりたい事が多いから」(40代女性)、「どんな本を読めばよいか分からず探すのが面倒に感じる」(20代男性)、「スマホばかりいじっていて、本を読まなくなった」(40代女性)といった回答が寄せられた。
大人の読書離れの原因として、忙しさや生活習慣の変化、デジタル機器の影響が挙げられている。多くの人が「時間がない」「他のことを優先する」と答え、日常で読書時間を確保できないと感じていることがわかった。また、読書に対する苦手意識がある人も少なくないようだ。
○これから読書を始めたい人は46.7%
次に、全く読まない人を対象に、「読書を始めたいと思いますか?」と聞いたところ、70%程度の人が「はい」または「どちらとも言えない」と回答しており、読書を全くしない方の中にも読書に対する関心がある方が一定数存在することがわかった。一方、「いいえ」と答えた人は、約30%で、読書に対する興味が低く、生活の中で優先順位が低いようだ。
回答理由を詳しく見ていくと、「はい」と答えた人からは、「読書は有意義だと考えているから。本を通して知識を深めたい。」(30代女性)、「時間に余裕があれば本が好きなので読みたいです。」(40代男性)、「自分の時間をゆっくり過ごせるため。」(50代男性)など、ポジティブな回答が多くみられた。特に仕事や子育てに忙しい世代は、時間があれば読書を楽しみたいという意欲をもってる人も多く、読書の価値を認識していることが伺える。
「いいえ」と答えた人からは、「読みたいと思う本がないから。」(20代女性)、「本は内容がとても長くその割に欲しい情報がなかなか出てこなかったりするから。」(20代男性)、「読書に時間やお金を費やすなら、他のことに使いたいから。」(40代男性)などの回答が寄せられた。読書は必要な情報が得られるまでに時間がかかると感じている人が多く、効率的な情報収集の方法を求めている声が多く寄せられた。
「どちらとも言えない」と答えた人からは、「時間があれば読みたいと思っている。」(20代女性)、「面白い小説があればまた興味を持って読むかもしれませんが、今のところ気になる本がないため。」(50代男性)、「本から学ぶことも多いと思うけど、他にやりたいこともある。」(30代女性)といった回答が寄せられた。どちらとも言えない層は、条件が揃えば読書をする可能性があるものの、現時点では読みたいと思う本が見つからない状況にある。時間や内容次第で読書に興味をもつ可能性があり、時間を有効活用できる読書法や、興味を引く本との出会いが必要かもしれない。
○読書習慣がある人は、毎日短時間で本を読んでいる
次に、「1か月に1冊以上の本を読む方」を対象に「1日の読書の時間」を聞いたところ、1日の読書時間を30分未満に設定している人が多いことがわかった。特に「15〜30分未満」が最も多く60人を占め、短時間でも毎日コツコツと読書を続けるスタイルが一般的なようだ。一方で、1時間以上の読書を習慣としている人は少数派であり、3時間以上読書に費やす人はさらに限られている。忙しい現代社会では、限られた時間の中で効率的に読書を楽しむ人が多いようだ。
○読書のタイミングは「寝る前」や「スキマ時間」
続いて、「1か月に1冊以上の本を読む人」を対象に「1日の読書のタイミング」を聞いた。1か月に1冊以上の本を読む人のうち77名と多くが、読書のタイミングとして「食事・入浴後〜就寝まで」を選んでいる。リラックスした状態で一日の終わりに読書を楽しむスタイルが主流であることがわかった。また、「休憩中・空き時間」や「移動中」に読書をする方も多く、短いスキマ時間を活用している様子が伺える。
○小説やエッセイ、ビジネス書が人気
続いて、「1か月に1冊以上の本を読む人」を対象に、「よく読む本のジャンル」を聞いたところ、「SF小説と、ファンタジー小説」(30代男性)、「ファンタジー、ミステリー」(30代女性)、「ビジネス・経済関連」(50代男性)、「自己啓発 エッセイ 実用書」(50代女性)、「歴史もの」(30代女性)、「研究に関連する参考書」(20代女性)など、個々の嗜好やライフスタイルに応じたさまざまなジャンルが挙げられた。仕事や学業に関連する本を中心に読んでいる人も多くいた。
○読書習慣がある人に聞いた「読書を楽しむコツ」とは?
読書習慣がある人に「読書を楽しむコツ」を聞いたところ、「毎日数分でいいので読み続けて、先が気になる様になると読み進めるのが楽しくなります。」(20代男性)、「自分の好きな作家を見つける。」(30代男性)、「興味を持ったものに関する本を探してみるといいと思います。」(40代女性)、「1冊の本だけでなく、複数の本を同時並行で読む。」(40代男性)、「ストーリーに集中して世界観にひたることです。」(20代女性)、「楽な姿勢で読む。飲み物やお菓子を準備する。その日の気分によって本をチョイスする。」(40代女性)、「好きなブックカバーとしおりを用意すること。好きなジャンルの本を読むこと。」(30代女性)などの回答が寄せられた。それぞれ、自分に合った読書の楽しみ方や工夫があるようだ。特に「リラックスできる環境を整える」ことや、「好きな作家やジャンルを見つける」ことは、多くの人が挙げていた。
また、「少しずつ読み進める」「複数の本を同時に読む」など、無理のないペースで続けることも読書を長続きさせるためのコツのようだ。さらに、「本の世界に没入する」ことや、「お気に入りのブックカバーやしおりを用意する」ことも、読書の楽しさを引き出すポイントとなっている。
○読書をしていてよかったと感じたエピソードとは?
最後に、「1か月に1冊以上の本を読む人」を対象に、「読書をしていてよかったと感じたエピソードがあれば教えてください。」と聞いた。
「会話の幅が広がりコミュニケーション力が上がる。」(50代男性)、「人の悩み相談にのるときに、本の内容が役に立った。」(40代女性)、「これまで興味の薄かった分野の職業に興味を持つ様になり、視野が拡がったと思います。」(40代男性)、「漢字の読み方や日本語の言い回しなどの勉強になる。」(40代男性)、「子育て中の家からでられないときも楽しみがあること。」(30代女性)、「リラックスできるのでよく眠れる。」(40代女性)、「スマホの液晶画面を見る時間を減らせるので、目の調子が少し良くなった。」(20代男性)など、読書にはさまざまなメリットがあることがわかった。特に、コミュニケーション力の向上や会話の幅が広がることで、人間関係が豊かになるという声が多く、読書が社会性の向上に役立つことがわかる。
また、仕事や日常生活における知識の応用、理解力や文章力の向上といった実務的な効果があったという声も多く寄せられた。さらに、リラックス効果や視野の拡大、悩み解決や精神的なリフレッシュといった、心身両面でのポジティブな効果も期待できるようだ。(Yumi's life)