関西の老舗駅弁メーカー・淡路屋が製造販売する「ひっぱりだこ飯」。蛸や穴子、旬の野菜を壺風の容器に盛り付けた神戸の名物駅弁です。
今、X上ではそんなひっぱりだこ飯の容器を使用した蛸壺漁が成功したというニュースが話題になっています。77個投入し、16個の壺に蛸が入っていたという豊漁ぶり。
5年越しのチャレンジでつかんだ成功とのことですが、蛸壺漁にかける思いなど、株式会社淡路屋の柳本雄基さんに話を聞きました。
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――蛸壺漁になぜ挑戦を?
柳本:あくまでも「蛸壺を模した陶器」なのですが、以前から「本当にこの壺で蛸獲れたら面白そうやな」と個人的に思っていました。2020年春に新型コロナウイルスが蔓延。どうにか話題を作って「駅弁」や「淡路屋」に人々の興味をひきたいと考え、蛸壺漁を実行してみました。
――5年越しの成功とのことですが。
柳本:「諦めません、獲るまでは!」を合い言葉に続けました。個人的な興味からスタートしたのですが、始めるとなかなか面白い取り組み。SNSでファンからの反響も大きく、どんどんのめり込みました。毎年漁場を変えて、蛸壺の種類を変えて。漁師さんからは「絶対入らんと思うで」と言われ、実際に獲れない。でも毎年違う手応えがあるんです。試行錯誤を繰り返しました。
――成功の瞬間は?
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柳本:最初、「入ってる!」とスタッフが叫んだとき、全員が驚きと共に大爆笑でした。まさか本当に獲れるとは…(笑)。次の瞬間、「あ〜今年で終わりやんか!」と大笑い。いつのまにやら、タコを獲ることよりも、漁自体が目的になっていたことに気付きました。
――成功に至った要因は?
柳本:ハッキリとした理由はわかりませんが、漁場が良かった可能性が高いです。また、獲れてはじめてわかったのですが、壺の中が比較的明るい壺に多くのタコが入っていました。何か影響があるかもしれません。
――人気のある壺、無い壺があったとは…。
柳本:多い順に、「金色」「銀色」「自衛隊とのコラボ壺(中は肌色)」「海上保安庁とのコラボ壺(中は白)」といった順です。自衛隊は外回りが迷彩柄なので、隠れ家になるから?海上保安庁はさすが海のプロ、捕まえるのが上手い!と勝手な解釈をしています。
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SNSでは「おめでとうございます!」「ついに成功!」「今年もアカンかったのかと思った」など驚きと喜びの反響が寄せられました。ひっぱりだこ飯の壺はあくまでも使い捨て容器ですが、ペン立てや植木鉢、中にはスマホを入れて音楽を再生すると音が大きくなる、スピーカーとして活用されている方も。捨てるのが勿体ないひっぱりだこ飯の壺の可能性が見えました。
(まいどなニュース特約・ゆきほ)