自民党総裁選が12日告示された。派閥裏金問題で深まった政治不信の払拭など、15日間の論戦で課されるテーマはこれまで以上に重い。各候補者は陣営の出陣式などで改めて「総裁の座」への意気込みを訴えた。
小泉進次郎元環境相(43)は12日午前、党本部近くの日枝神社で必勝を祈願。記者団に「1年で三つの改革を断行したい」と改めて決意を示し、「一つ一つ丁寧に訴え、全身全霊で頑張りたい」と語った。
石破茂元幹事長(67)は党本部で陣営の出陣式に出席。「政治改革など多くの課題を手掛けてきたが、まだ道半ばだ。総理総裁でなければできない。最後の戦いだ」と強調し、支援を受ける議員と「頑張ろう三唱」を行った。
高市早苗経済安全保障担当相(63)も日枝神社を参拝。前回の総裁選で全面支援を受けた安倍晋三元首相に触れ、「たくさんのことを教えてもらった。戦い方も教えてもらった。その思いをしっかり受け止めて頑張っていく」と記者団に表明した。
河野太郎デジタル相(61)は議員宿舎で記者団に「改革を実際にやり遂げてきた実績、豊富な経験は河野太郎が一番抜きんでている。日本を前に進めていきたい」と強調した。
茂木敏充幹事長(68)は東京都内で開いた陣営の会合で「チーム自民党、チームジャパンとして、その先頭に立つ。チームを束ねる力を持っていると自分は確信している」と声を上げた。
小林鷹之前経済安保担当相(49)は議員会館で「仲間と共に臨む私自身の姿が党が生まれ変わる象徴になる」と力説。白のジャケットに身を包んだ上川陽子外相(71)は議員宿舎で「白いキャンバスに皆さんの思いや願いを描いてもらいたい思いで、駆け抜けたい」と訴えた。
加藤勝信元官房長官(68)は都内で義父の加藤六月元農林水産相の墓参りを行い、「最後まで総裁選を戦う決意と、ぜひ導いていただきたいとの思いを伝えてきた」と話した。現職の官房長官として立候補した林芳正氏(63)は首相官邸での定例記者会見で「総裁選中においても、引き続き迅速に連絡・報告を受け、緊急時には必要な態勢を取る」と危機管理に万全を期すと強調した。
自民党総裁選の出陣式に臨む石破茂元幹事長(中央)=12日午前、東京・永田町の同党本部
記者団の取材に応じる自民党の河野太郎デジタル相=12日午前、東京都港区
自民党総裁選の出陣式に臨む茂木敏充幹事長=12日午前、東京都港区
自民党総裁選への決意を表明する小林鷹之前経済安全保障担当相=12日午前、衆院議員会館
義父・加藤六月元農林水産相の墓前に、自民党総裁選出馬の報告をする加藤勝信元官房長官=12日午前、東京都港区の高野山東京別院
記者団の取材に応じる自民党の林芳正官房長官=12日午前、東京・赤坂の衆院議員宿舎