福島県内の東日本大震災からの復興を助成する国の交付金を原資に県などが設置した基金について、事業に使用される見込みのない残額が計約21億円に上ることが12日、会計検査院の調査で分かった。
検査院は同日までに、事業を所管する国土交通、農林水産、文部科学3省とこども家庭庁に対し、国への返還を自治体側に指示するよう求めた。同庁所管の3事業の残額計約790万円は既に返還された。
調査対象となったのは、国の「福島再生加速化交付金」を原資に県や市町村が設置した基金で運営される262事業。このうち南相馬市、大熊町、浪江町、楢葉町、飯舘村の計63事業では、事業完了から1年以上が経過するなど、基金がさらに使われる見込みがなかった。基金の残額は計約21億930万円だった。