日本分析化学会は12日、名古屋市内で開催した授賞式で、「分析化学」論文賞を受賞した広尾学園高2年の木村凜太朗さん(17)らを表彰した。同学会が発行する論文誌「分析化学」に昨年掲載された中で特に優れた論文に贈られる賞で、今回は2組が受賞したが、高校生は初めてだった。
木村さんは中学1年の時に旅行で訪れた箱根温泉・大涌谷の名物「黒たまご」の殻が黒いことに疑問を抱き、神奈川県温泉地学研究所などの研究者らに声を掛けて共に研究。約3年かけて原因となる物質が硫黄を含む高分子状の有機物であることを明らかにした。
授賞式後、「すごいものをもらえた」と笑顔を見せた木村さん。研究では卵から黒い物質をはがす必要があったといい、「家にあるいくつもの水溶液のどれがよくはがれるか調べたことが大変だった」と振り返った。
今後については「高校で習うことを勉強してからもう1回研究したら、新たな視点で別のことが分かるかもしれない」と先を見据えた。
「分析化学」論文賞の賞状を手に笑顔を見せる木村凜太朗さん=12日午後、名古屋市