【ワシントン時事】米財務省が12日公表した8月の財政報告によると、2024会計年度(23年10月〜24年9月)の財政赤字は8月までの11カ月累計で、前年度同期比24%増の1兆8970億7900万ドル(約270兆円)となった。年度末まで1カ月を残し、前年度の赤字額を上回った。
8月までの歳入は、堅調な景気を背景とした税収増で11%増。一方、連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げに伴う国債の利払い負担増などが響き、歳出は14%増加した。国債利払いは30%増え、初めて1兆ドルを超えた。
米国の財政赤字は金利上昇や高齢化による社会保障費の増大を背景に、拡大基調をたどる見通し。「近い将来、厳しい財政的な困難に直面する」(米シンクタンク)と懸念する声も上がる。