大雪山系では昨年より早く紅葉が始まっています。3連休は冷え込みが強まって色づきがさらに進むでしょう。本州、四国、九州では真夏のような暑さが続きますが、秋雨前線や台風13号の影響もあって雨に注意が必要です。
●衛星画像 北日本は初秋、東日本と西日本はまだ盛夏
大雪山系黒岳では今月5日、おおむね平年並みの時期に紅葉が始まりました。一雨ごとに冷え込みが強まって、色づきは去年を上回る早さで進んでいます。一方、東日本と西日本では非常に厳しい暑さが続いていて、まだ盛夏が続いているような状態です。このように南北差がたいへん大きな状況は日本周辺を取り巻く空気によってもたらされています。
衛星画像を見てみると日本の南には台風13号の発達した雲があり、今後は沖縄奄美に接近したあと進路をさらに西寄りに変えて中国大陸の上海付近に向けて進む予想です。これは本州付近はまだ上空の強い高気圧に覆われているためで、東日本と西日本で真夏のような暑さが続く要因になっています。一方、シベリア方面から北海道にはすでに冷たい空気が流れ込み始めており、東北地方には秋雨前線が停滞しています。
あすからの3連休は秋雨前線が南北に動くことで雨が降りやすい地域がある見通しです。また、来週末にはさらに強い寒気が北海道方面に流れ込む予想で、初冠雪する山岳があるかもしれません。
●土曜日 台風や前線の影響で部分的に雨
14日(土)は台風13号の周辺の湿った空気が吹き付ける九州と四国の太平洋側、紀伊半島の東側では雲が広がりやすく、九重山や剣山で曇りや雨を予想しています。一方、秋雨前線が停滞する東北地方や前線に近い関東北部でも雨が降りやすく、鳥海山や安達太良山、那須岳でも曇りや雨を予想しています。そのほかは日中晴れるところが多い見込みですが、午後は気温の上昇や湿った空気の影響で局地的に雨が降るでしょう。大雪山は朝は冷え込みが強まって、氷点下2度まで下がる予想です。登山道の凍結に注意してください。また、北海道は夜から広く雨が降って西風も強まり荒れてくるため注意してください。
|
|
●日曜日 前線が南下して広い範囲で曇りや雨
15日(日)は前線上に発生した低気圧が北海道を通過する見通しです。大雪山では雨を予想していますが、低気圧が通過した後は移動性高気圧に覆われるため、午後は天気が回復に向かうでしょう。低気圧から延びる寒冷前線が本州付近に南下するほか、高気圧の縁を回る湿った空気が南から流れ込むため、東北から九州にかけても大気の状態が不安定になって雨が降る山が多い見通しです。必ず雨具を用意してください。雷も発生しやすいでしょう。
●月曜日 一部で天気回復
16日(月)は前線が本州付近に停滞しますが、活動は弱まる見通しです。日曜日に比べると雨が降る範囲が狭くなる見込みですが、関東甲信と北陸では比較的雨が降りやすく、東海や中国・四国、九州でも午後は大気の状態が不安定になって雨が降るところがあるでしょう。一方、北日本は移動性高気圧に覆われて大雪山、鳥海山は晴れを予想しています。大雪山では氷点下1℃、鳥海山では8℃まで冷え込む上、上空は西風がやや強いため防寒具は秋冬用のものを用意してください。8℃を下回ると紅葉が進み始めるといわれています。この冷え込みによって東北地方の高山でも紅葉のスイッチが押される見通しです。
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 一般財団法人日本気象協会 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。