今回は、老後破産しがちな人について専門家が回答します。
Q:老後破産するのはどんな人?
「叔父は高額な住宅ローンを組んだうえ、子どもに教育費をかけすぎ、老後破産に近い状態らしいです。自分は心配性な性格でもあり、老後が大変不安です。老後破産する人のパターンについて知っておきたいと思います。専門家の目から見て、こういう人は老後が危ない、というのがあったら教えてください」(48歳・会社員)A:浪費癖がある、社会保障制度を無視している、お金の線引きができていない人です
どのような人が老後破産をするのか、それを一概に断定はできませんが、今までの相談を踏まえると、大きく2つのパターンがあります。【1】無計画でお金を使ってしまった【2】子どもが起こしたトラブルに対処して困難になった等です。それでは、具体的に見ていきます。
【1】無計画でお金を使ってしまった
相談者の叔父様は、高額な住宅ローンや教育費等、一見すると無計画で後先考えずに行動した結果で、破産に近い状態になっていますよね。
|
|
一方で、なかには、本人そのものが無計画でお金を使ってしまい、老後の生活が立ち行かなくなっているケースもあります。その多くが公的年金の未払いで受給できずに、生活費が足りない、病気になっても治療費が捻出できないというものです。
一時期、年金は払うと「損」という風潮があり、自営業等で収入がある人の中には未納の人がいました。しかし、経済の流れが大きく変わってしまい、思うような収入を得られなくなり、年金も未払いなために老後、年金を受給できなくなってしまったのです。その結果、最終的に子の世話になっているという家族を何組か見ています。
前者の叔父様のようなケースは思いやりの結果ですが、後者は快楽・楽天主義の結果と言えます。
ただし、どちらのケースも「浪費癖がある」もしくは「その場の勢いに流されお金を使ってしまう」ために、「常に収入以上の支出をしている」状態にあったと考えられます。後者に至っては、さらに「社会保障制度を無視している」ために招いたとも言えます。
|
|
【2】子どもが起こしたトラブルに対処して困難になった
子が高額な借金を抱えてしまい、子に代わって借金を返済するためにお金を使ってしまったケースも見られます。老後に備えて貯めていた預貯金を吐き出す、年金保険を解約して支払ってしまい、老後の資金計画が狂い破産寸前に陥ってしまうケースも増えています。
【2】のケースは「自分のお金と家族のお金の線引きができていない」ために招いたと言えるかもしれません。
老後破産は誰にでも起こり得る
ここまで説明してきましたが、老後破産の可能性がある人の特徴について簡単にまとめました。・浪費癖がある
・その場の勢いに流されお金を使ってしまう
・常に収入以上の支出をしている
・社会保障制度を無視している
・自分のお金と家族のお金の線引きができていない
どの特徴も、誰もが内在しうるものであるというのがわかります。つまり、老後破産は誰にでも起こり得ることであり、避けられないこともあるのです。そのことをよく知ったうえで、将来に向けて対策していきましょう。
|
|
叔父様のご家族には「老後破産しそうだ」と傍観するのではなく、救いの手を差し伸べる気持ちはないのか? 感謝の気持ちはないのか? と、相談者から促してみてはいかがでしょうか。
文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。
(文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー))