今週の日曜日は、中京競馬場でローズステークス(GII・芝2000m)が行われます。
今年のローズSは阪神競馬場がリフレッシュ工事期間中のため、中京競馬場を舞台として行われます。中京競馬場でローズSが開催されるのは、今回を含めて5回目となります。それほど多くの開催があるわけではありませんので、ここでは16年以降に中京芝2000mで行われた牝馬限定重賞の10レースを対象にして、今年のローズSを紐解いていきたいと思います。
データ対象の10レースでは、前走で2000m以上に出走していた馬が9勝2着6回3着8回と結果を残しています。中京は直線に急坂が待ち受けるタフなコースとなっていますので、前走である程度のスタミナが要求される2000m以上のレースを経験している事がアドバンテージになっているのではないでしょうか。
一方、前走が1800m以下だった馬は1勝2着4回3着2回と苦戦しています。1800m以下のレースはスタミナよりもスピードが求められやすい距離と言えますので、タフな中京2000mではその時の経験がマイナスに働くので結果を残せていないと考えられます。今年のローズSでも前走の距離に注目し、各馬の取捨を決めていきたいところです。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
関東馬で前走1800mに出走
[0-0-0-12]複勝率0%
該当馬:カニキュル
(過去の該当馬:23年ルージュエヴァイユ3番人気12着、21年サトノダムゼル3番人気7着)
※特に言及のない限り、データは16年以降に中京芝2000mで行われた牝馬限定重賞(計10レース)を対象にしています。
上位人気が予想されるカニキュルが該当しました。
前走から距離延長の馬は苦戦を強いられていますが、その中でも関東馬で前走が1800mだった馬には好走例がありませんでした。距離延長のマイナス面や中京までの輸送の負担などが重なり、このような傾向になっているのではないでしょうか。
該当馬に挙げたカニキュルは美浦の菊沢厩舎所属で前走は芝1800mに出走。過去の傾向を踏まえると人気でも好走は期待しにくいと言えます。
カニキュルはこれまでに5戦していますが、全て中山競馬場や東京競馬場など比較的美浦トレセンから近い競馬場でのレースしか経験がありません。今回は中京競馬場までの輸送があります。今までに経験のない臨戦過程となりますので、本来の力を出し切れずにレースを終えるシーンがあっても不思議ではありません。
また、フローラSで3着に好走した実績はありますが、その時よりも今回の方がメンバーレベルは高い印象です。能力的に足りるかどうかも不明確ですし、それで人気が予想されるのであれば配当的な旨味はありませんし、本馬の評価を下げて他の馬から入る事も考えたいところです。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。