BMW Mチーム WRTからWEC世界耐久選手権に参戦しているドリス・ファントールは、9月14日に富士スピードウェイで行われた第7戦の予選で、ランボルギーニSC63のダニール・クビアトと接触しかけたことで、15号車BMWが初ポールポジションのチャンスを失ったと考えている。
ファントールはこの日の二次予選『ハイパーポール』で、ポールポジションを獲得したキャデラックのアレックス・リンから0.158秒差の3番手に終わった。
しかしファントールは、このギャップはターン4(100R)クビアトのランボルギーニと交錯しかけたことによるものだと考えており、彼の推定によれば0.2秒をそこで失ったのだという。
今季デビューしたBMWにとっての最高の予選結果に満足する一方で、ファントールは異なる状況の下だったらどうなっていただろうかと、疑問に感じている。
「タイミングが悪かった。(クビアトは)間違った側に進路を取ったんだ」とファントール。
「彼にぶつからないようにするためアクセルを戻したことで、コンマ2秒を失ってしまった」
「コンマ2秒を失わなかったらどうなっていたか、後から考えるのは簡単だ。いいラップだったし、3番手はとても満足できる。だが、1位か、少なくともフロントロウを獲得できた可能性もあったと知ると、確かに残念だ」
ファントールは、ブロックされた後にもう1周走らなければならなかったため、最後のアタック周にはリヤタイヤが「もうそれほど良くなかった」と付け加えた。
ファントールとクビアトの両者はスチュワードのもとを訪ねたが、それ以上の措置は取られなかった。裁定が下される前にファントールは、スチュワードによる一貫した意思決定の重要性を強調している。
「僕にとって、こうしたルールを厳格に守ることが重要だ。みんなの邪魔をし始めると、混乱が起きるからだ」とファントール。
「悲しいし、腹立たしい。僕はただ、さらに腹が立つ。FIAにルールを守り、一貫性を保つよう求めている」
一方クビアトは、9番手とランボルギーニの今季の予選で圧倒的なベストをマークした後、この事件で自分は何も悪いことはしていないと考えている。
「僕は最善を尽くして邪魔にならないようにした」とクビアトは振り返る。
「僕の側では、すべてOKだった。他の人は違う気持ちかもしれないが、それが人生だ」
■クビアト、ランボルギーニ初のハイパーポール出場は「予想外」
クビアトは土曜日の予選・第1セグメントで、SC63にとって初めてのハイパーポール進出を果たした。
ハイパーポールではジュリアン・アンドラウアーのドライブしたプロトン・コンペティションの99号車ポルシェ963を上回り、9番手を獲得している。
「その目標を達成できて最高だ」とクビアトはハイパーポール出場について語った。
「フリープラクティスのセッションできちんと仕事をして、このマシンがどの方向に進むべきかを理解することができた。少し予想外ではあったが、すべてがうまくいってトップ10入りしたように思える」
「昨日『ハイパーポールに出場できる』と言われたら、笑っただろうね!」
「これは嬉しい驚きだが、まだやるべきことはたくさんある。なぜなら、(マシンに)あまり変更を加えていないからだ」
ランボルギーニの調子が上がった理由についてさらに説明を求められたクビアトは、こう答えた。
「どういうわけか、僕らのマシンのウインドウは非常に狭い。ここではうまくいったようで、両方のセッションで良いラップをまとめることができた」
「これがチーム全員のモチベーションアップになればと思う。マシンは未完成だ。必要なパーツを僕らが投入し始めたらどうなるか、想像してみてほしい」