貯め上手さんと貯め下手さんは、怒りの頻度が違う?
これまで、1000万円以上貯めている人や、お金が貯めるのがニガテだという人など、多くの人に取材をしてきた筆者ですが、両者の“怒り”の頻度が異なると感じています。お金を貯めるのがニガテな人は怒っていることが多く、1000万円以上貯めている人はあまり怒らないのです。今回は、そんな”怒りとお金”について探っていきましょう。
貯め下手さんは、怒っていることが多い
「貯めるのがニガテです」というかわいらしい女性Aさんにお会いしました。彼女は、最初の挨拶や雑談のときは笑顔だったのですが、そのうちプンプンと怒りはじめました。「私はヒマだと思われているみたいで、いつも友達が『ご飯食べようよ〜』って誘ってくるんです。断るのも悪いから行くんですけど、お金がなくなる……」と不満そう。
筆者が、「あまり仲良くない相手だったら、時には断るのもありではないですか?」と聞いてみると、「うーん、断って友達なくしたらイヤじゃないですか……」と、(ちょっと怒りながらの)返答をされました。
|
|
貯めるのがニガテだというBさんも、プンプン怒る感じがAさんに似ていました。
「うちの会社はお給料がよくない。ボーナスも全然もらえないし。私たちの世代って、年金もたいして出ないっていうし! 職場で上司を見ると、ずるいってイライラしちゃいます」「私は一人暮らしで、実家暮らしの人がうらやましい。お母さんが毎日お弁当作ってくれる同僚もいるんです!」と、終始腹を立てていました。
貯め上手さんは、怒りを感じたら”解決策”を探す
一方、貯め上手さんはどうでしょうか。1000万円以上の貯蓄がある、かわいらしい女性Cさんにお会いしたときの話です。先ほどのAさんやBさんと同じくらいの収入で同世代、しかも一人暮らし。ところが、終始落ち着いた笑顔でした。
|
|
「お金を貯めてこれを買ったんです。ずっと欲しかったからうれしかった」という話もあり、Cさんのような貯め上手さんからは、貯蓄による達成感や幸せについての話題も多いのです。
貯蓄がしっかりあり、余裕があるから笑顔なのか、それとも心が落ち着いていて笑顔が多いから、ストレスがたまらずにお金が貯まるのか……。まるで“鶏と卵”の関係のようではありますが、貯蓄と笑顔は密接につながっているよう。
“あまり怒らずに笑顔でいること”は、お金が貯まる要因になると筆者は感じています。
怒りを消すのは難しいから、解決策をちょっと考えてみよう
人間ですから、誰でも怒りの感情があるもの。怒りがわいたときに、すぐに消すことは難しいでしょう。無理やり押さえ込んだとしても、どこかで爆発してしまうかもしれません。
|
|
例えば、“友達が、自分に似合わない洋服をすすめてくる”→“友達とは洋服を一緒に買いに行かないようにする”とか、“お給料がよくなくて不満だ”→“お給料を増やす方法を考えてみる”“副収入が得られないか調べてみる”“同じお給料の他の同僚はどうしているか、聞けそうな人に聞いてみる”などと、解決策がないかを探ってみましょう。
解決策がわからなくてどうしようもない状態だから、怒りが止まらないのかもしれません。もし少しでも解決策が思いつけば、怒っている時間がもったいないと感じるかも。すぐに実行してみるのみ、ですよね。
怒っている時間が減れば、ストレスも減るかもしれません。ストレスによる衝動買いや、やけ食い、やけ飲みも減ることでしょう。無駄な出費が減れば、その分お金が貯まって、楽しいことに思いきり使えて幸せな気持ちが味わえます。
このように、怒りを感じたら、ちょっと”解決策”を考えてみることで、好循環サイクルをつくっていってくださいね。
文:西山 美紀(ファイナンシャルプランナー)
出版社に勤務し、編集・マーケティングに携わった後、フリーライターとして独立。女性誌やビジネス誌などで、貯蓄法や子育てにかかるお金の貯め方などをテーマに取材し、原稿・コラム執筆などを行っている。
(文:西山 美紀(ファイナンシャルプランナー))