俳優の福原遥(26)が主演を務めるABEMAオリジナル連続ドラマ『透明なわたしたち』(毎週月曜 後11:00※全6話)が16日からスタートする。同作では福原を中心に「どこか居場所がないと感じてしまう20代の若者の“今”を切り取る作品」というテーマに共感した20代の実力派俳優がそろい、東京と富山を舞台とした社会派群像サスペンスを届ける。また主題歌はシンガーソングライターとして活動する幾田りら(23)が新曲「Sign」を描き下ろし。ドラマの放送を直前に控える中、20代の2人に今作に込めた思いなどを語ってもらった。
【写真】インタビュー後の撮影会で笑顔を見せる福原遥&幾田りら 今作は、映画『Winny』『ぜんぶ、ボクのせい』の松本優作氏が脚本と監督を務め、映画『ヤクザと家族 The Family』『正体』を手掛ける藤井道人氏がプロデュース。社会派の作品を多く扱う2人の監督が、完全オリジナル脚本にてドラマを制作する。
――今作の脚本を通じて感じたことを教えて下さい。
福原:同年代の方にもすごい共感してもらえるような作品だと思いました。今はSNSもあり、人と直接深く繋がることが少ないのかなって感じていて、あまり外に自分を見せない人が多くなったんじゃないかなって。外では笑顔でいるけど、自分の中で抱え込んでしまったり、自分に自信が持てない。そういう人も多いんじゃないかなって思います。今作はそういう人たちに寄り添える、『あなただけじゃなくてみんなそう思っている』ということを届けることができる作品だと感じました。
幾田:自分も含めて、若者のリアルを心の機微まで表現している作品だと感じています。自分が楽曲を書き下ろしさせていただくことは、同世代の人間として実際に抱えている葛藤を、率直に音楽にすることが、この作品における自分なりのアンサーになると思いました。作品を見させていただいた上で自分に立ち返った時に、この作品とリンクする部分、そして自分自身が10代から20代にかけて、学校から社会に出ていく中で感じてきた葛藤や苦悩を率直に等身大に描こうと思いました。
――ドラマでは過去と現在が複雑に交錯したストーリーが展開されています。その中で、主人公を演じるにあたって大切にしたことはありますか?
福原:役柄の心の中も過去と現在ではかなり変わっていたので、ものの捉え方などは変えたいなとは思いつつ、でも軸となる部分はブレないように心がけていました。あとは単純にちょっと声色だったりとか、そのテンション感に関しても変えました。
――今回、幾田さんが描き下ろされた楽曲「Sign」のタイトルに込めた思いを教えて下さい。
幾田:作品を見たときに感じたメッセージとして、自分の中でたどり着いたのが、誰しもが社会との接点や、自分の存在意義を探し続けているということ。その中での悩みや葛藤、自分の思い描いていた理想像とギャップ。そこで、この作品のタイトル『透明なわたしたち』という、人からも見えていないような突き抜けられない自分といった部分に戻ってきました。
私自身も、学生の頃からもずっと思っていることでもあり、これからも自分が透明じゃなくなる日を探し続ける旅が人生だなと思います。自分がここに確かに存在しているっていう証、そのサインを自分で見つけ出せることが作品のテーマだと思ったし、これからも生きていく中でのテーマだなっていう風に思ったので、このタイトルを付けました。
――福原さんは俳優業、幾田さんはアーティストとして20代のアイコンとして活躍されていますが、お互いの印象について教えて下さい。
福原:自分よりも年齢が下だなんて、『そんなに若かったんだ』と笑。それは、歌詞も自分で書かれていて、その歌詞を見ても、感情を言語化する能力がすごく高いし、本当にすごいなと。歌番組とかで話されているのを見て、いつも笑顔でエネルギッシュで、みんなをハッピーにする姿を見ています。いろんなことを考えているけど、軸はすごいしっかりしている。人間としてもう出来上がっているっていう印象で本当に尊敬しています。
幾田:福原さんは優しく包み込んでくれる印象で、それがこの作品の中でもすごく生きているなっていうのを感じました。今作で演じられるキャラクターは、真っ直ぐさ故に、その正義が人を傷つけちゃうみたいなところもあると思うんですが、この役柄はこの声と、真っ直ぐな目を持った福原さんだからこそ、形作ることができたんだろうなと作品を見て思いました。透明感があって何色にも染まってない声だからこそ、いろんな役にフィットしていかれるんだろうなと感じます。初めてお会いした約3年前から変わらず、いるだけで、この場の空気を明るくしてくださるような、一緒にいるだけで穏やかな気持ちになれる。素敵な方だなと思っています。