【ロサンゼルス時事】日本の戦国時代を舞台にした真田広之さん主演の「SHOGUN 将軍」が、米テレビ界の頂点に位置するエミー賞で輝きを放った。ドラマシリーズの作品賞をはじめ、主要部門の軸になる主演男優賞、主演女優賞、監督賞を制覇。米メディアでは「壮大さ」や「精緻さ」が評価されており、前評判通りの快進撃となった。
プロデューサーも兼務した真田さんは受賞後、報道陣から最大の挑戦について尋ねられ、「(せりふ全体で)日本語が70%を占めた。世界のマーケットと日本の侍映画ファンを共に楽しませる大きな賭けだった」と語った。この懸念が杞憂(きゆう)に過ぎなかったことは、今回の結果が証明した。
「壮大な物語がゆっくりと展開されるにつれ、競合作品の中で際立っていく」。映像作品の有力批評サイト、ロジャー・エバート・ドットコムはこうたたえていた。原作で中心だった英国人航海士の視点を再構成。より日本人側に重点を置くことで、日本人キャラクターの絡み合う人間模様に視聴者を引き込んだと評価した。
先駆けて発表されたエミー賞の技術・美術部門でも「将軍」は14冠。衣装、ヘアメーク、舞台装置も大作にふさわしいスケール感を演出し、賞レースの主役となった。