乳牛の美しさを競う「第42回オールニッポン・ホルスタインコンテスト」で、農芸高(京都府南丹市園部町)の牛が日本一に輝いた。全国の酪農家を抑えて高校が1位になるのは、記録が残る中では初めて。約25年かけて改良を進めてきた教員や歴代の生徒たちの、地道な努力が報われた。
コンテストは全国酪農協会などが主催。体格や乳房の発達を写真で審査する。約570頭が出場した。
同高からはグロリーオーサ・クリーメル・クラツシヤブル・フイラ号が参加。46頭が参加した3歳前半の部で栄冠をつかんだ。まっすぐな背骨に加え、乳量に関わる乳静脈が太く、乳房の表面を覆い尽くすように巡る点が評価されたという。
フイラ号は、2000年に北海道から連れてきた牛から数えて5代目。3代目までは注目を浴びず、審査会で最下位も経験。だが、歴代の畜産部員らが丁寧に世話をし、体格のがっしりとした雄、乳房がよく発達する系統の雄と交配させて徐々に改良した。4代目から入賞が増え、5代目で日本一を達成した。
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結果は5月に専門誌「デーリィマン」で発表された。約30年指導する村西聡実習教諭は「血統一流、管理抜群でないと届かない。歴代の部員約60人のおかげ」と喜んだ。
同部長の中井蒼空さん(17)も「先輩の成果をより良くして後輩に引き継ぐため、1頭1頭を気遣う管理をしていく」と気を引き締めた。
今後も子を産んでもらい、脚の改良を図りたいという。ただ、衛生管理が緩めば牛はすぐ体調を崩し、鳴き声など発情の兆候を見逃せば交配できない。
村西さんは「積み重ねは1日の怠りで崩れる。さらに高いレベルを目指す」と語った。
(まいどなニュース/京都新聞)
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