女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2021年9月18日 記事は取材時の状況)
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以前、記入済みの離婚届を夫に勝手に出された女性(『意外とよくある?離婚届を夫が勝手に出してしまったら…』)のケースを紹介しましたが、反対に夫に内緒で離婚届を出してしまった人もいます。
◆夫の浮気が発覚し離婚届に署名させた
2018年に夫と別れた人材派遣会社社員の高野美香さん(仮名・38歳)もそんなひとり。
34歳のときに2歳年上の男性と結婚しましたが、なんと結婚式からわずか4か月後に早くも彼の浮気が発覚。ただし、この時点では再構築の道を選び、そのときに離婚届に署名させていたとか。
それを彼女が預かり、いつでも出せるようにすることを婚姻関係継続の条件にしていたそうです。
◆夫の署名入りの離婚届を保管
「浮気に早いも遅いもないですけど、それでも結婚間もない時期にこれですからね。裏切られたらショックやら怒りですぐに離婚することも当然考えました。
けど、この状況でも夫に対する愛情が完全に消えたわけではなかったし、こんなに早く別れるのはバツが悪すぎるので正直避けたかったんです。それで1回だけチャンスを与えようと思い、その条件のひとつとして私が挙げたのが署名済みの離婚届だったんです」
そして、スマートフォンにロックをかけることも禁止させ、いつでも自由に見られるようにさせたとか。実際、抜き打ちで何度もチェックしたそうですが、怪しい点は何もなかったといいます。
「仕事が終わったら家に真っすぐ帰ってくるようにもさせたし、会社の方と飲みに行く際は事前報告することをルールにしたんです。彼も表面上はちゃんと守っているように見えましたが、浮気発覚からしばらく経ったころから小さな異変を感じるようになりました」
例えば、今までになかった地方への日帰り出張が月に1〜2回入るようになったり、ほかにも残業で帰りが遅くなる日も。
それでも夜9〜10時ごろには帰宅し、戻りがそこまで遅いわけではなかったこと、スマホにも密会を裏付ける不審なやりとりはなかったそうです。
◆不倫相手とその後も関係が続いていた!
ところが、ある晩のこと、リビングに脱ぎっぱなしだった彼のスーツをハンガーにかけようとしたところ、ポケットに見慣れないスマホが入っているのを発見。この時点で「ひょっとして……」と嫌な予感がしたそうです。
「彼はめんどうくさがり屋で暗証番号やパスワードのほとんどを誕生日か大学時代の学籍番号にしているのを知っていたんです。それで試しに学籍番号を入力してみるとあっさり解除。
中身をチェックすると例の浮気相手との関係が続いていて、メッセージのやりとりだけでなく直視に耐えられない2人の卑猥な画像もありました。それでもうムリだと思い、別れることを決意したんです」
◆逆ギレした夫に怒鳴られた
このとき夫は入浴中でいつ上がってくるかわからなかったため、証拠の数々を急いで保存。風呂上がりの彼にスマホについて指摘しましたが「会社支給のやつだよ」と何食わぬ顔をしてウソをつかれたそうです。
そこで中身を見たことを告げると謝ってくるどころか「何、勝手に見てんだよ!」と怒鳴られたといいます。
「本当はちゃんと話し合った上で離婚しようと考えていましたが、この彼の態度で署名済みの離婚届を出してしまおうと思いました。それで私も離婚の準備を着々と勧めました。彼にはそのことを一切話しませんでしたけどね(笑)」
◆自分主導で離婚を決められる安心感
それからも半月ほど彼と一緒に暮らしていたそうですが、その間に離婚届を提出。それにともなう諸手続きも済ませたそうです。
また、離婚については弁護士に一任。リビングのテーブルに夫に宛てた手紙を残し、実家に戻ったといいます。
「出て行った日の夜、彼からの電話に出ると『勝手に離婚届を出すなんて聞いてないぞ!』と文句を言われました。でも、あなたにそれを言われる筋合いはない、あとは弁護士さんを通してください、と話して電話を切りました」
義両親には離婚後に報告する形になってしまい、そのことを詫びましたが「こちらこそ愚息が迷惑をかけて申し訳なかった」と義父から丁寧な謝罪を受けたそうです。
「彼からは慰謝料を頂きましたが100万円だけ。私のケースだともっと請求することも可能だったみたいでしたが勝手に離婚届を出した分、安くしておきました。こんな結末になるとわかっていれば、最初に浮気が発覚した時点で別れていたんですけどね(笑)」
最近は結婚の際に用意しておくカップルも増えている記入済みの離婚届。それを提出することにならないのが一番ですけど、持っていればいざという時の安心感になるのかもしれません。
またパートナーの知らないうちに離婚届を出した場合に、相手が調停や訴訟をした場合は離婚が無効になる可能性があり、提出した側も、たとえ署名・捺印が本物であっても公正証書原本不実記録罪などに問われる場合もあります。
くれぐれも離婚届けを軽く扱わないよう注意してくださいね。
<文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。