中国広東省深セン市で日本人学校男児が刺され死亡した事件を受け、自民党総裁選の9候補から19日、発言が相次いだ。石破茂元幹事長と高市早苗経済安全保障担当相は中国当局の対応が不十分だと批判。ほかの候補は安全確保を一斉に要求した。
石破氏は記者団に対し、4月と6月の江蘇省蘇州市での事案に続く日本人襲撃だったことに触れ、「中国政府が真相究明、再発防止に十分な対応をしていない。言葉に尽くせない悲しみと怒りを感じる」と批判。「治安担当者か外交の責任者が国を代表して見解を述べるのは当然だ」と語った。
高市氏も陣営の会合で「本当に悔しい。中国当局は原因や動機を何も明らかにしていない」と説明を求めた。
小泉進次郎元環境相は「中国政府には邦人の安全確保と(容疑者の)厳正な処罰、動機の解明を求めたい」と強調。上川陽子外相は陣営会合で「事実の解明と、再発防止に万全の策を取るよう強く申し入れた」と説明し、林芳正官房長官は記者会見で「事実関係の説明と安全確保に万全を期すよう引き続き強く求める」と述べた。
小林鷹之前経済安保担当相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、茂木敏充幹事長も警備強化などをそれぞれ訴えた。
陣営の会合で発言する高市早苗経済安全保障担当相(右から3人目)=19日午後、国会内
記者団の取材に応じる自民党の小泉進次郎元環境相=19日午後、東京都中野区