「増税ゼロの政策を実行する」。4日の出馬表明で防衛増税や子育て支援金徴収の停止をぶち上げ、大勝負に出た。幹事長として関わった岸田政権の取り組みを否定するかのような発言に批判が相次いだが、「財源はつくれる。財務省を説得する」と言い切った。
自信の裏付けとなっているのが重厚なキャリアだ。第2次安倍政権発足以降、経済産業相、党選対委員長、政調会長、経済再生担当相、外相と切れ目なく要職を占めてきた。伝統派閥の平成研究会(茂木派、解散決定)も率いた。
出身は栃木県足利市の山あい。告示前日の11日、廃校となった母校の小学校分校跡を訪れ、旧友からエールを送られた。「全ての原点がここにある」。地方重視をアピールし、日本列島の再改造も政策の柱に掲げる。
課題は気難しいイメージの払拭。自覚は持っているようで、誤ってスマートフォンを池に落としたエピソードを自ら明かした。「意外と料理もできる」「意外と素直」。陣営の若手は「意外と敏充」をキャッチコピーに親しみやすさを訴える。