羽田空港発着の航空機が低空で飛行する新ルートを国土交通省が認めたのは違法として、東京都や川崎市の住民計29人が国に取り消しを求めた訴訟の判決が20日、東京地裁であった。岡田幸人裁判長は訴訟の対象にはならないと指摘し、住民側の訴えを却下した。
判決などによると、2020年に設定された新ルートは南風が吹いている際に使われる。着陸しようとする航空機が都心上空を低い高度で飛行し、離陸時には川崎市の石油コンビナート上空を低空で飛び、同年3月から運用されている。
住民側は騒音や排ガスのほか、落下物や墜落事故の危険性があると訴えていた。しかし、岡田裁判長は「新ルートを設定したことが騒音被害などの受忍を義務付けたことにはならない」と指摘し、訴訟の対象とは認められないと結論付けた。