キャンプ候補地をGoogleマップで探していた男性、隕石のクレーターを発見か(カナダ)

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2024年09月20日 19:30  Techinsight Japan

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カナダ、ケベック州のキャンプ候補地をGoogleマップで探していた男性。直径約15キロのくぼ地は隕石のクレーター?(『All That’s Interesting 「A Man Using Google Maps Just Discovered A Crater Likely Caused By A Massive Meteorite In Quebec」(Gordon Osinski)』より)
カナダ在住の男性が、キャンプ候補地を探すためにGoogleマップを見ていたところ、直径約15キロのくぼ地を発見した。そのくぼ地が、隕石のクレーターの可能性が高いと注目が集まっている。隕石によるものだと確定していないが、衝突を示す物質がサンプルから発見されたことで、科学者たちの期待が高まっており、2025年には本格的な現地調査が始まる予定だ。カナダのニュースメディア『CBC.ca』などが伝えた。

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カナダ在住のジョエル・ラポワントさん(Joël Lapointe)は昨年1月、ケベック州コート・ノール地域でキャンプ旅行の計画を立てるためにGoogleマップを見ていた際、くぼ地を発見した。直径約15キロのこのくぼ地の曲線が気になったという。さらに彼は、同州マグパイ村から約100キロ北に位置するマルサル湖の周りにも、直径約8キロの小さな山脈があるのを見つけた。

ラポワントさんはこの地形に興味を持ち、専門家に連絡することにした。最終的にフランスの地球物理学者ピエール・ロシェットさん(Pierre Rochette)と話すことができ、彼が率いる科学者チームは現在、この地点を隕石衝突により形成されたクレーターの可能性があるとして調査している。

ロシェットさんは、7月28日〜8月2日にベルギーのブリュッセルで開かれた「国際隕石学会(METSOC)」の年次総会で今回の発見について発表し、「地形を見ると、衝突の跡を強く感じさせる」と述べている。また、現地からサンプルを受け取っており、その中の少なくとも一つにジルコンという耐性のある鉱物が含まれていた。これは衝撃の影響で変化するもので、分析結果は隕石によるものだという可能性を含んでいる。さらにロシェットさんは、このような発見は「重要なこと」と述べており、最後にこのサイズの隕石が発見されたのは2013年だと説明した。

西オンタリオ大学地球科学部の博士研究員タラ・ヘイデンさん(Tara Hayden)によれば、数百万年、あるいは1億年以上前のものクレーターがいくつか存在するそうだ。ヘイデンさんは、隕石の種類が古代の惑星から来たものや、初期の太陽系物質の一部である可能性があると述べた後、「それが地球にどの時期に届けられたのかを知ることができるのが、隕石クレーターの素晴らしい点です」と明かしている。

また西オンタリオ大学の地球科学教授ゴードン・オシンスキーさん(Gordon Osinski)は、「カナダには、世界中に約200ある確認済み隕石クレーターのうち31個が存在します。これらは古い岩石の中でよく見られ、そのうちの約3分の1はケベック州にあります。同州では鉱業や鉱物探査が盛んに行われており、多くの地質学者が調査を行っていますので、時折このような発見があります」と語っており、続けてこう述べた。

「最近はGoogle Earthを使って円形や半円形の構造物を簡単に見つけることができるようになりましたが、そのうち9割はクレーターではありません。しかし、今回発見されたものは決定的な証拠ではないものの、現地のサンプルから衝突後に形成されたジルコンが見つかりました。科学者たちは、現地訪問のために時間と資金をかける価値があると見ています。」

それを受けて、発見者のラポワントさんは「私自身、科学者ではありませんが、本物の学者のオシンスキーさんがおっしゃったように、通常はGoogleマップで人々が見つける大きな穴の9割はただの普通の穴なのでしょうが、今回見つけた巨大な穴は、隕石衝突の決定的な証拠ではないかと思われます」と述べている。

オシンスキーさんの次のステップは、ロシェットさんが率いるフランスの科学者チームと共同研究を行うために必要な資金の調達であり、2025年にフランスのチームと共に現地調査を行う予定だ。彼が最後にクレーターを特定するために旅行したのは10年以上前のことで、「非常に興奮しています。このような機会はそう頻繁にあるわけではないので」と話している。


クレーターとして正式に認定される前に、複数のテストを実施する必要がある。オシンスキーさんによれば、クレーターの指標の一つは「シャッターコーン」が存在するかどうかだという。シャッターコーンとは、岩石の表面に見られる溝や線のようなものであり、それがあれば事実上、隕石衝突の確実な証拠になるそうだ。

また、オシンスキーさんは、顕微鏡を用いた調査で6つの主要な判断基準を満たせば、クレーターであることを証明できると述べており、ラポワントさんの発見したものがクレーターの「有力な候補」であるとし、来年の現地調査を心待ちにしていた。

画像は『All That’s Interesting 「A Man Using Google Maps Just Discovered A Crater Likely Caused By A Massive Meteorite In Quebec」(Gordon Osinski)』より
(TechinsightJapan編集部 MM)

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