梨の栄養素・健康効果……アスパラギン酸も豊富で、夏バテからの疲労回復効果も
みずみずしくて甘酸っぱい梨は、小さめのものなら約300gで、カロリーも100kcal程度です。たんぱく質や脂質はほとんど含まれておらず、エネルギー源となる栄養素は糖質が中心です。その他、意外かもしれませんが、ビタミンK、カリウム、銅の含有量が多いことが特徴です。梨に含まれているアミノ酸は「アスパラギン酸」が多いのですが、アスパラギン酸はエネルギー源として使われやすいアミノ酸としても知られています。そのため、梨は夏バテなどの疲労回復効果があるともいわれています。
また、薬膳の世界では、梨は「肺を潤う効果が高い」「熱証に効く」と考えられており、渇いた咳やのどの渇き、体のほてりなどを鎮める効果がある果物とされています。
特に「温かい梨」が効果があるとされているので、この時期に多い軽い風邪のような不調がある時には、手軽に買える梨をおいしく食べながら、温めて食べる方法を試してみるのもよいかもしれませんね。
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おいしい梨の選び方……品種はさまざまだが軸がしっかりした丸みのあるものを
梨は、皮の色によって、「豊水」や「幸水」などの「赤梨」と呼ばれるものと、「二十世紀」などの「青梨」と呼ばれるものに分けられます。さまざまな品種がありますが、いずれも軸がしっかりしていて丸みのあるものがおいしい梨の特徴です。ちなみに梨の皮のざらつきは、梨の気孔が塞がってコルク化したもので、「果点コルク」と呼ばれます。ざらつきは熟すにつれて目立たなくなっていくため、もし皮にざらつきがあるものとないものがある場合は、ざらつきが少ないものから順に食べるのがいいでしょう。
健康にもよい梨を上手に選んで、今年もぜひ梨の季節を楽しんでいただければと思います。
■参考
・ナシ(梨/なし)の栄養価と効能(旬の果物百科)
・果物のプロが教える美味しい梨の見分け方!ポイントは色合いと形状 (武田青果)
平井 千里プロフィール
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。(文:平井 千里(管理栄養士))
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