記録的な豪雨に襲われた石川県珠洲市若山町では、羽田登喜雄さん(72)が自宅が土砂崩れに巻き込まれ、亡くなった。羽田さんは1人暮らしで、元日の能登半島地震で家が壊れたものの避難所には行かず、自宅で生活を続けていたという。
近所の人などによると、21日午前、羽田さん宅が傾いていることに気づいて訪ねると、母屋などの建物が完全に倒壊していたという。「どこにおる?」などと大声で呼びかけたり、携帯電話を掛けたりしたが、返答はなかったという。羽田さんは同日午後、消防に救助されたが死亡が確認された。
羽田さんは退職後、地域の活動にも積極的に従事。近所の70代女性は「周りの草刈りをしてくれたり、散歩しながら側溝のごみを拾ってくれたり、よく気の付く優しい人だった」と悼んだ。親戚で幼いころから付き合いがあったという別の70代女性は「現場で呼びかけたがだめだった。1週間ほど前にも差し入れを持っていき、いろいろ話したばかりだった。まだまだ元気だったのでかわいそうだ」と肩を落とした。【阿部弘賢】
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