業務の困りごとに「生成AI」が回答　東京メトロ、社内向けにヘルプチャット導入

　東京メトロは10月下旬から、生成AIを活用した社内向けの問い合わせチャットシステムを導入すると発表した。生産性の向上が目的だとしている。

【画像】チャットの利用イメージ、実際の効果検証の様子、チャットシステムの仕組みなど

　同システムは、社員が業務をする上で生じた不明点を、チャットを通して問い合わせできるというもの。チャットに質問を入力すると、生成AIがあらかじめ登録した社内文書などから該当する情報を検索し、適切な回答を提示する。

　同社ではこれまで、事務業務で不明点などが生じた場合は、社内のネットワーク上で閲覧できるマニュアルなどを照会する、もしくは関係部署へ問い合わせるという対応を取っていた。特に、関係部署への問い合わせには多くの時間がかかっていたという。

　同社では2023年度からこうした業務の効率化を目的に、生成AIを活用したチャットボットを人事や契約関係の一部の職場で導入。生成AIによる回答精度などを評価した結果、「一定の効果が認められた」として、全社での導入に踏み切ったという。

　全社的に生成AIを活用するにあっては、ハルシネーション（AIが事実に基づかない情報を生成すること）が起こりうるといった特性を理解して社員が活用できるよう、2023年度に「生成AIサービス利用ガイドライン」を策定。必要となるガバナンスの整備を実施しているという。