AIとサウンドが売りの「Google Pixel Buds Pro 2」は何が変わった? 試して分かった進化点

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2024年09月26日 02:11  ITmedia PC USER

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「Pixel Buds Pro 2」のWintergreenモデル

 Googleは9月26日、新型ワイヤレスイヤフォン「Pixel Buds Pro 2」を発売した。同社直販のGoogle ストア価格は3万6800円で、カラーバリエーションはPorcelain/Hazel/Wintergreen/Peonyの4色展開となる。


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 Pixel Budsシリーズとしては、2017年発売の初代「Pixel Buds」(左右が繋がっていた)、2020年の第2世代(左右分離の完全ワイヤレス)、2021年の廉価モデル「Pixel Buds A-Series」、そして2022年発売の「Pixel Buds Pro」に続く、Pixel Budsとしては5代目とも言える製品だ。


 もちろんGoogleのフラッグシップモデルにあたり、本モデルでは本体の軽量化に加え、「Tensor A1」チップを搭載することで、オーディオ性能とともにAI機能の強化を図っている。


 果たしてどのような進化を遂げたのか。発売前に試用する機会を得たので、紹介しよう。


●形状が大きく変わった「Pixel Buds Pro 2」


 まず、イヤフォンの形状だが、先代のPixel Buds Proから大きく変わっている。Pixel Buds A-Seriesとも異なっており、かなりコンパクトになった。実際、イヤフォンの重さもPixel Buds Proの約6.2g(中サイズのイヤーチップ使用時)から約4.7g(Mサイズのイヤーチップ使用時)と約1.5g軽量化されている。ちなみに、Pixel Buds A-Seriesの重さは約5.06gだ。言い方は悪いかもしれないが、これまでのPixel Buds的なデザインから、普通のイヤフォンになった印象を受ける。


 本機は4500万もの耳の形をスキャン分析し、実際の装着テストに基づいて最も快適で安定感のある形状を設計したとのことで、多くの人にフィットするようになったとしている。固定用アーチが追加され、耳に差し込んだ後、回転して調整することで最適な位置にフィットさせることができる。


 なお、正しくフィットしているかは、Pixel Budsアプリから確認することも可能だ。


 イヤフォン表面は静電容量方式のタッチセンサーになっており、タップとスワイプ操作に対応している。シングルタップ/ダブルタップ/トリプルタップ/スワイプの操作は変更できないが、長押しのみ「ANCの切り替え」か「デジタルアシスタント」を割り当てられる。


 実際に装着してみると、本体が小さくなったため、耳に挿して回転させるという動作が難しく感じた。また、軽くなったことも影響していると思うが、外れてしまうようなことはなかったものの、何となく耳への収まりが悪い気がした。このあたりは慣れもあるのかもしれない。


 充電ケースの形状は、従来からほとんど変わっていない。パッと見で区別するのは難しいだろう。


 ただ、Pixel Buds Pro 2の充電ケースには、スピーカーが搭載されている。スピーカーと言っても音楽を流せるようなものではなく、「デバイスを探す」で着信音を流すためのものだ。詳しくは後述する。


●圧迫感が少ないANC


 アクティブノイズキャンセリングも従来から強化された。Tensor A1チップの搭載により、「Silent Seal 2.0」を使用したANCは、環境に合わせて毎秒300万回の調整をして、ノイズを従来の最大2倍ブロックするとのことだ。ANCが強力になると、特有の閉塞感/圧迫感を生じるものだが、そうしたものは感じなかった。


 なお、外部音を取り込むトランスペアレンシーモードにも対応しており、ジェスチャー操作で切り替えることができる。この他、会話を検出すると自動的に外部音取り込みモードに切り替わる機能も備えている。


 肝心の音質だが、Pixel Buds Proと比べると高音のシャープさが増しているようだ。低音も強いのだが、ドンシャリという感じはなく、どちらかというフラットな印象を受けた。


 イコライザー機能も備えており、デフォルトを含めた6つのプリセットに加え、ユーザー自身でカスタマイズも可能だ。カスタムイコライザーは数字の帯域ではなく、「超高音」「中音」などで記載されているので、イコライザーになじみがない人でも分かりやすいだろう。


 Pixel Buds Proに引き続き、ヘッドトラッキング付きの空間オーディオにも対応している。ただし、利用するにはPixel 6以降のPixelスマートフォン(aシリーズは非対応)が必要だ。


●Gemini Liveを利用可能


 Pixel Buds Pro 2には、AI機能を強化するTensor A1チップが搭載されている。GoogleのAIと言えばGeminiということで、Pixel Buds Pro 2ではGemini Live(日本ではGemini ライブチャット)を利用することが可能だ。


 Geminiと自然な会話を行える機能で、従来のGoogle アシスタントのように毎回ウェイクワード(OK Google)を発する必要はなく、人と話すのと同じように会話を行うことができる。ただし、今のところ日本語では利用できず、スマートフォンのGeminiアプリを英語設定(Android自体を英語設定にする必要はない)にした上で、英語で発話する必要がある。


●「デバイスを探す」に対応! 充電ケースから音を出すことも


 Pixel Buds Pro 2は「デバイスを探す」に対応しているので、紛失時には最後に検出された位置をマップ上で確認できる。また、部屋の中にあるはずだが、片方のみ見当たらないなど、スマートフォンの接続範囲にある場合には、イヤフォンから音を出して探すことも可能だ。


 これらの機能には従来から対応していたが、Pixel Buds Pro 2では充電ケースにスピーカーが追加され、充電ケースを探すことも可能になった。イヤフォンを収納していなくても音を鳴らせるので、ケース自体がBluetooth対応しているようだ。


 Bluetooth圏内になければ音は鳴らせないが、イヤフォンを収納しようとしたらケースが見つからない、といった場合に便利そうだ。


●今後に期待のイヤフォン


 今回はPixel 9 Proとペアリングして使用したが、Android 6.0以降であればフル機能が利用できる。細かな設定はできないものの、イヤフォンとしてだけならiOSでも使える。


 イヤフォンの性能としては音質的にも十分満足でき、ANCの性能も申し分ない。AI機能に関しては、日本ではまだ活用できないため、現時点では未知数といったところだ。このため、AI機能(Gemini Live)目当てで購入を検討しているのであれば、日本で使えるようになるタイミングまで待ってもいいかもしれない。AI機能は関係なく、性能のいいイヤフォンが欲しいという人にとっては、選択肢の1つとして検討する価値がありそうだ。



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