女児バス置き去り死など担当=袴田さん再審指揮の国井裁判長

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2024年09月26日 21:01  時事通信社

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時事通信社

静岡地裁の国井恒志裁判長=26日午後、静岡市(代表撮影)
 袴田巌さん(88)の再審公判を指揮した静岡地裁の国井恒志裁判長(58)は、任官31年目のベテラン。刑事裁判の担当が長く、2021年10月から静岡地裁部総括判事を務めている。面識のある裁判官は「裁判員裁判に強い思いがある人」と話す。

 東京都出身で1991年に司法試験に合格し、福岡、横浜各地裁や東京高裁の判事などを歴任。前橋地裁で部総括判事を務めた。

 静岡地裁では、再審公判のほか、静岡県牧之原市の認定こども園で起きた園児のバス置き去り死事件を担当。7月、業務上過失致死罪に問われた元園長に実刑、元担任に執行猶予付き有罪判決を言い渡し、検察側、弁護側双方が控訴せずに確定した。

 この判決言い渡し後の説諭で、「(被害園児は)教訓にするために生まれてきたわけではない」と声を詰まらせ、園児の父親は「実刑判決を出して言葉を詰まらせながら声を掛けてくれたのは、とても説得力があって素直に受け止めることができた」と語った。

 裁判員経験者らの交流会を主催する専修大の飯考行教授(法社会学)によると、国井裁判長は数回、交流会に参加しているという。飯教授は「体験談を聞き、裁判運営に役立てようとしていた」と話した。 
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