「劇映画 孤独のグルメ」内田有紀、磯村勇斗、杏らが口々に語る監督・脚本・主演松重豊のすごみ

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2024年09月27日 04:01  日刊スポーツ

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「劇映画 孤独のグルメ」で志穂を演じる内田有紀(C)2025「劇映画孤独のグルメ」製作委員会

松重豊(61)が、主演のテレビ東京系ドラマを監督・脚本・主演の全てを務めて映画化する「劇映画 孤独のグルメ」(25年1月10日公開)に、内田有紀(48)磯村勇斗(32)塩見三省(76)杏(38)オダギリジョー(48)が出演することが26日、分かった。主人公の井之頭五郎の同業者・友人としてドラマ版に登場した滝山を演じた村田雄浩(64)も再出演する。また、これまで明かされていなかった物語は“究極のスープ探し”と判明。6人は五郎の“究極のスープ探し”の旅に関わる存在だ。


物語は、五郎がフランスに住むかつての恋人小雪の娘・松尾千秋から「子供の頃に飲んでいたスープをもう一度飲みたい」という祖父・一郎の依頼を引き受けて欲しいとパリに呼ばれ、スープ探しの旅にこぎ出す。その千秋を杏、一郎を塩見が演じる。


撮影は、23年9月にパリのエッフェル塔でスタートした。杏は「松重さんは主演はもちろん監督、脚本も手がけるとのことで、パリにはシナハン(シナリオハンティング=脚本のための取材)からいらして、どの店が良いかと、まさに五郎さんのように食べ歩いておられました」と、松重の監督ぶりを克明に紹介。「衣装合わせにも監督なので当然いらしているのがなんだか不思議な気持ちでしたが、何度も親子役などで共演させていただいていたので、安心して現場に挑むことができました」と松重への絶大な信頼を口にした。


杏自身、2年前からパリと日本の2拠点生活をしているが「実は五郎さんの食べカットを撮影中、お店の隅で出番を待っていたのですが、モニターの映像を見ながら匂いだけ嗅いで、その日は食べられずじまいでした。ただ座って待っているだけなのに、おなかがすいて仕方がない! スタッフの方はもう十年以上も、この過酷な環境で撮影をされているのかと思い知らされました。『絶対に食べたい!』と諦められず、またあのお店に行ってみようかと画策しているところです」と、自身もパリで「孤独のグルメ」を楽しむ可能性を示唆した。


今年1月まで続いた撮影は韓国でも行われたが、五郎が迷い込む韓国領の島のコミュニティーで暮らす志穂を内田が演じる。7月に都内で行われた会見で、松重は「監督と言っても、現場で五郎がモニターのところにいて確認し『OK』『チェック』と良しあしを決めている」と、撮影現場では井之頭五郎の格好で監督業も務めていると明かしたが、内田は「あの五郎さんが監督の撮影現場。私の役者人生で初めての『背広を着た監督』です」と撮影現場の様子を紹介。「五郎さんがモニターの前に座り『OK!』と大きな声が響き渡ると、撮影現場は一瞬で笑顔で満たされます。でも、どこかおなかが減ってくる」と明かした。


磯村は、中華ラーメン店「さんせりて」の常連客でスープの食材とレシピを探す五郎を手伝う中川、オダギリは「さんせりて」の店主を演じる。磯村は「何より、今回は松重さんご本人が監督を務めるとお聞きし、開口一番で『参加したい!』となった次第です。俳優もやりながら監督をしている松重さんの姿がとても勇ましく、また長年一緒に作り上げてきたスタッフさんたちを大切にされている様子を拝見し、愛され続ける作品というのは作り手の人柄が大事なんだと、改めて実感した現場でした」と、松重の監督ぶりに物作りへの愛を新たにした。


一方、オダギリは「公表では分かりませんが松重さんの身長は2メートル30センチほどあります。いや、現場での松重さんは本当にそのくらい大きな存在に感じました。松重監督の第1作目に呼んでもらえてめちゃめちゃうれしかったです」と、独特の言い回しで松重の監督としての存在感を評した。


松重は、自主映画を製作した経験はあるが「劇映画 孤独のグルメ」で商業映画の監督に初挑戦した。共演陣のキャスティングについて「台本を作り上げて行く過程で、この役はこの人、あっちの役はあの人と夢想しています。練り上げていくにしたがってそれは恋心に変わっていきました。そして脚本というラブレターにしたためて、それぞれの所属事務所にお届けしました」と経緯を明かした。そして「返事をもらえぬ日々はもん絶するようでした。幸いなことに見事恋愛は成就し、僕の恋い焦がれる面々が集ってくださいました。そして僕の気持ちをはるかに上回る愛で応えてくれました」と感謝した。


関係者によると、キャスティングについては「松重さんが脚本の中で構想を組んで、テレビ東京などの製作陣が具現化していった」という。松重は「監督をやってみてはじめて、俳優さんってすごいんだなぁって、気づきました。……って遅っ」と、俳優と監督のはざまを行き来した、独自の視点で、自身も生業とする俳優業へのリスペクトを口にした。

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