さらなる進化を遂げる、2ndアルバム!富田美憂、『Violet Bullet』リリース記念インタビュー

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2024年09月30日 19:21  アニメ!アニメ!

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さらなる進化を遂げる、2ndアルバム!富田美憂、『Violet Bullet』リリース記念インタビュー
アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年10月号には、2ndミニアルバム『Violet Bullet』をリリースした富田美憂が登場。

アニバーサリー感を大切にしたアルバム

――約3年2か月ぶりのアルバムですが、今回のコンセプトは?

 今年の11月にアーティスト活動5周年を迎えるので、アニバーサリー感を出したいと思っていました。また、2枚目のアルバムなので、1枚目とのつながりも大事にしたくて、コンセプトカラーを紫にしました。前作が赤で、それが青に変わる途中という意味合いを持たせています。きっと、3rdアルバムのカラーは青になると思います。お願いする作家さんに関しては、キャラクターソングや前作のアルバムでお世話になった方々にもお願いしたくて。その一方で、ラウドなどの未経験のジャンルの曲も歌ってみたかったので、新しい挑戦をする私と、これまでの私の両方が揃ったアルバムになったと感じています。

――アルバムタイトルの『Violet Bullet』にはどんな意味を込めましたか?

 コンセプトカラーが紫ということもあり、「Violet○○」にしたいと思っていました。「○○」の部分はパキッとしたカッコよさを感じさせるフレーズを入れたくて、いろいろと考えているなかふと思い浮かんだのが「Bullet」でした。以前から私を応援してくださっている方はもちろん、最近私を応援するようになった方の心も撃ち抜きたいというか……。ちょっと気恥ずかしいですが(笑)、そんな意味を込めて「Bullet」を選びました。

――「紫」というカラーには、どんな印象がありますか?

 もともと好きな色で、以前活動していたユニットの担当カラーも紫だったのでとても思い入れがあります。紫は大人っぽさを感じさせつつ凛々しくもあるカラーだと思っていますし、濃淡の種類も多いので、バラエティに富んだ楽曲が詰まったアルバムにピッタリのカラーだと思います。

――各楽曲についても教えてください。まずはリード曲「Ever Changing Violet」から。

 私のアーティストデビュー曲「Present Moment」を手がけてくださった金子麻友美さんと睦月周平さんにお願いしました。この曲に関しては、お2人だからこその富田美憂像があるのではないかと感じて、私からはとくに希望を出しませんでした。上がってきた歌詞は、デビュー初期を思わせるようなワードが散りばめられていましたし、メロディも「Present Moment」のフレッシュさとはまた違った、凛とした決意を感じさせる曲で。5年経ったいまだからこその曲になっています。

――初回限定盤には、すでにYouTubeで公開されていた「OveR」「Paradoxes」のMVのほか、「Ever Changing Violet」のMVも収録されますね。

「Ever Changing Violet」のMVは、バンドの皆さんと一緒の撮影でした。自分ひとりのシーンでは、テンションをキープするのが大変なのですが、バンドさんがカッコいいパフォーマンスをしてくださって、自分のテンションも自然と上がっていったんです。また多くのMVでお世話になっている監督さんだったので、歌詞とリンクした小物だけでなく、これまでのMVを彷彿とさせる小物も入れてくださり、周年感のある映像になりました。

――2曲目は、テレビアニメ『デート・ア・ライブ?』のOPテーマ「OveR」です。

 YouTubeのMVが130万回以上再生されていて、私を代表する、名刺代わりの楽曲になったという印象です。私を『デート・ア・ライブ』の世界に連れていってくれた曲でもあるので、いまも大事に思っています。

――3曲目の「Silent Beat」は配信リリースされた曲ですね。

 2023年11月に配信しました。ピアノの温かみと鋭い冷たさが共存したサウンドが印象的な1曲です。歌詞も、自分の弱いところを受け入れたうえで前に踏み出すという強さを感じられる曲です。今回アルバムに収録されたことで、もっとたくさんの方に届いたらうれしいですね。

――4曲目の「Make a New Day」は、爽やかな曲ですね。

 目の前をそよ風が吹くようなイメージですよね。私は過去の恋人への気持ちを歌った曲と解釈していますが、切ないだけではなく、次へと踏み出す決心や強さも感じられる曲になりました。歌詞も繊細で、レコーディングではパワフルさは控えめにしつつ、切なさと温かさが伝わるよう、丁寧かつ軽やかに歌ったことが印象深いです。

――5曲目の「Dear Teddy」はとてもかわいい曲ですね。

 この曲は、宮嶋淳子さんとトミタカズキさんに、1stアルバムの「片思いはじめました」のような曲をお願いしたいですとお伝えしました。イントロのピアノやベルの音、コーラスに曲同士のリンクを感じつつ、歌は当時よりも大人っぽくなったと感じています。「片思いはじめました」はフレッシュで甘酸っぱい曲でしたが、この曲は切なさと温かさの塩梅が絶妙で。大好きな人へ、幸せでいてほしいという思いを歌った、一途で切ない曲になりました。

――6曲目の「la la lai」は一転して盛り上がる曲ですね。

 この曲は、ライブでタオルが振れる曲をお願いしました。お客さんに振り付けを一緒に踊ってもらう曲としては、「片思いはじめました」があるのですが、もっと皆さんが自由に楽しめる曲もほしいと思って作っていただきました。大団円感がありつつ、日常を忘れてはしゃげるような曲になりましたね。レコーディングでもテンションを大事にしつつ、夏っぽさとダンサブルさ、歌声の軽やかさを意識しました。日常生活で疲れたなと思ったときに聞いてほしいです。

――7曲目の「Sweet Sweet Sweat」は、コミカルですね。

 ガヤやコールは、レコーディングスタジオにいたスタッフの皆さんにお手伝いをしていただきました。トリッキーなコーラスもあるのですが、「私を応援してくださる方なら、ライブまでに完璧に仕上げてくれるはず」という信頼のもとにできあがった曲でもあります。アーティスト・富田美憂とコミカルな曲はあまり結びつかないかもしれませんが、ずっと歌ってみたいという願望がありました。園田健太郎さんにその思いを伝えて作っていただいたのですが、タイトルが甘いの「Sweet」だけじゃなく汗をかくという「Sweat」も入ったことで、ひと筋縄ではいかない塩っぽさもあって、そこが私らしいなと感じています。セリフ部分は何パターンか録ったうち、「本気で無理だと思っていそう」なバージョンが採用されました(笑)。ライブで育つ曲だと思うので、ぜひ皆さんもコールを覚えて一緒に進化させてください。

――8曲目の「Oblivion」でパワフルさが復活しました。

 これがいわゆるラウド曲ですね。ここまで激しい曲はあまり歌ったことがなく、アルバムのなかでも挑戦の1曲でした。いい意味で自分のストッパーを外せた曲だと思いますし、しゃくりもエッジボイスも存分に効かせて好き放題に歌ったので、ギラギラとした富田を感じていただけると思います。レコーディングでは最初にいただいたデモからはキーを下げたり、低音を効かせてみたりとこだわったので、「Make a New Day」や「Dear Teddy」と聞き比べて、ギャップを感じてほしいです。

――9曲目の「Stellar」は富田さん自身が作詞を担当していますね。

 歌詞を先に書いたので、それに合わせて滝澤俊輔さんが曲を付けてくださいました。歌詞のテーマは「自分の葛藤と星と色」です。「Stellar」=星を自分に照らし合わせ、特別なものを持たない私が“らしさ”を見つけていく過程を詞にしました。曲は、爽やかさやバンドっぽさがあったらいいなと思いつつ、滝澤俊輔さんにお任せしました。夜空や星空を感じさせるイントロや、アカペラも盛り込んでくださり、想像以上のものを作ってくださいました。1stアルバムで作詞をした「Letter」も「Stellar」も目標や夢について歌っているのですが、「Letter」が日中を感じさせるのに対し、「Stellar」は夜なので、対極の雰囲気を持つ曲になったなとも感じています。

――ラストを飾るのは、テレビアニメ『デート・ア・ライブ?』のOPテーマ「Paradoxes」です。

 曲順は迷った末に、「Paradoxes」を最後にしたのですが、いい意味でアルバムを締めてくれるナンバーになりました。もともとはOPなのですが、この位置で聞くとエンドロールが見えてくるような印象になるんですね。ロックバラードは歌った経験がなく、苦戦したのですが、美しいだけのバラードではなく、作品の世界観を背負いつつ、意志の強さや譲れないものを描いた歌詞の世界も大事にしたくて。それが声の端々に出たらいいなと思いながら歌った思い出があります。

――どの曲も、いまの富田さんらしさが感じられますが、なかでも自分的に一番“らしい曲”と言われたらどれでしょうか?

 全部の曲がいまの自分を形作るものだと思っていますが、そのなかでもリード曲の「Ever Changing Violet」は、いまをとくに切り取ってくれているなと感じます。唯一「紫がコンセプトカラーです」と作家さんに伝えた曲でもあるので、紫の印象も強いのかもしれません。

――ジャケットなど、ビジュアル面での推しポイントは?

 衣装とヘアメイクが2パターンずつあるので、その違いを楽しんでいただけると思います。いつもジャケットはパキッとクールなイメージにこだわっているのですが、今回はさらに強さを加えて、これから先もがんばっていくという意志が感じられる1枚になりました。

――自分としては、どんな1枚になったと感じていますか?

 毎回最高傑作だと思っているのですが、今回もさらなる最高傑作ができたと思っています。全曲がリード曲といってもいいくらいで、新たな富田美憂像を感じていただける、自信を持てる1枚になりました。

――アーティスト活動を5年続けてきて、どんなふうに成長したなと思いますか?

 自己プロデュースができるようになってきましたね。アーティストデビューしたてのころは、どんな曲が自分に合っているか、自分にどんな表現ができるかを模索していることのほうが多くて。いまもまだ模索中ではありますが、それでもデビュー当時よりは方向性が定まってきたなと感じています。

――アルバムをひっさげてのライブも11月に開催されますが、意気込みを教えてください。

 今年は、アーティストデビューが5周年、声優デビューが10周年、そして自分が25歳になるという節目の年でもあるんです。そんな年にライブができることがすごくありがたいので、デビューのころから応援してくださっている方に、成長を見せたいと思っています。私は、ライブはありがとうと伝える感謝の場だと思っているんです。魅力的なアーティストさんがたくさんいるなか、時間を作って富田を見に来てくださっている……それが本当にありがたくて。その思いを込めつつ、ライブに来てよかったなとも思っていただきたい。そして皆さんが驚くようなことにも挑戦していけるライブ作りをしていきたいです。

――今後はアーティストとしてどんな挑戦をしていきたいですか?

 アーティスト業で学んだことを声優業で、声優業で学んだことをアーティスト業で活かせるという恵まれた環境にいるので、どちらも同じ熱量でたくさんのことを伝えていきたいと思っています。歌に関してはまだまだ挑戦したことのないジャンルもありますし、きっと年齢を重ねることで音楽への向き合い方も変わっていくと思うので、いろいろな挑戦をしていきたいです。いまはアーティスト・富田美憂を支えてくださるチームの皆さんと、同じ方向を向いて足並みを揃えて音楽やライブを作るのが楽しいんです。それを皆さんにも届けていきたいです。

――では、最高のアルバムを読者にプッシュしてください!

5周年を迎えての新たな一歩となる1枚ですし、聞かないなんてあり得ないくらいの最高なアルバムができました。聞いて損はないので、ぜひお手にとっていただけたらと思います。

Profile
とみた・みゆ/11月15日生まれ。埼玉県出身。アミューズ所属。これまでに、シングル5枚、配信シングル1作、ミニアルバム1枚、アルバム1枚をリリース。
声優としての主な出演作は『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』院田唐音役など。

Information
2ndアルバム『Violet Bullet』発売記念リリースイベントが開催中。
9月1日に埼玉・タワーレコードアリオ川口店、10月13日に愛知・第3太閤ビル、大阪・アニメイト大阪日本橋5Fイベントホール、10月27日に東京・AKIHABARAゲーマーズ本店、池袋PACKSにて開催。
11月10日には、東京・豊洲PITにて『富田美憂3rd LIVE 〜Violet Bullet〜』を開催。
参加方法やチケット、そのほかのイベントの詳細は【 https://columbia.jp/tomitamiyu/ 】をチェック。

『Violet Bullet』
発売中
日本コロムビア

富田美憂の約3年2か月ぶりとなる2ndアルバム。自身が作詞を手がけた「Stellar」、テレビアニメ『デート・ア・ライブ?』のOPテーマ「Paradoxes」を含む、全10曲収録。初回限定盤にはリード曲「Ever Changing Violet」を含む3曲分のMVと「Ever Changing Violet」のメイキング映像を収録したBlu-rayを同梱。

初回限定盤4400円(税込)
通常盤3300円(税込)

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