「天皇皇后両陛下と愛子さまは、今回の災害に深く心を痛めておられるとのことで、能登半島地震に加え、今回の大雨による災害で犠牲となった方々へのお悼みのお気持ちと、被災された方々へのお見舞いのお気持ちをお伝えいただきました」
9月25日、石川県の馳浩知事は、侍従長を通じて天皇ご一家からお見舞いのお気持ちが伝えられたことを明かした。
皇室担当記者はこう語る。
「愛子さまは、9月28日から2日間の日程で石川県の志賀町と七尾市を訪問し、能登半島地震からの復興状況を視察されるご予定でした。愛子さまがお一人で被災地を訪問されるという発表に、多くの感動の声が上がりました。
しかし発表後に記録的な豪雨で石川県内に甚大な被害が出たため、宮内庁と石川県で対応を協議したのです。結局、“現地の人々には災害対応に専念してもらいたい”という天皇ご一家のご意向もあり、愛子さまのご訪問はとりやめになりました」
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愛子さまの初めてのお一人での地方ご公務になるはずだった“石川県の被災地ご視察”自体が、異例のことだという。
皇室番組を長年手がけてきた放送作家・つげのり子さんは次のように話す。
「内親王方の初の単独での地方ご公務は、黒田清子さんが潜水調査船支援母船の進水式、眞子さんが 『アジア太平洋こども会議』25周年記念行事、佳子さまが海底調査船の進水式でした。
進水式は欧米では女性が行うことが慣例となっており、日本でも女性皇族が招かれる機会が少なくないようです。また眞子さんの『こども会議』も、年齢が若いのでイベントの主旨に沿うのではという理由だったのでしょう。
愛子さまと、これまでの内親王方との大きな違いは、“お願いされた公務を果たす”という受け身のスタンスではなく、『困っている人々の支えになりたい』というご自身の意思を反映された点だと思います」
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愛子さまのそうしたお考えは、’22年に臨まれたご成年会見のお言葉にも表れていた。
「皇室は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、ということが基本であり、最も大切にすべき精神であると、私は認識しております。『国民と苦楽を共にする』ということの一つには、皇室の皆様の御活動を拝見しておりますと、『被災地に心を寄せ続ける』ということであるように思われます」
つげさんが続ける。
「国民の多くは、愛子さまは学習院大学を卒業した後、大学院に進まれるか、イギリスなどの海外へ留学されるのではないかと考えていました。しかし、“1日も早く困っている人たちの助けになりたい”というお気持ちから、日本赤十字社(以下、日赤)へ就職されたのだと思いました。
また“受け身ではない”という点でいえば、ご一家で那須にご静養に行かれた際の那須塩原駅でのご様子が印象的でした。天皇ご一家で多くの地元の人々と交流されたのですが、愛子さまは相手としっかりお話しできるように、自らすっと1歩近づいてから話しかけられたのです。
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これまでにはないご様子でしたが、就職されてからはいろいろな方と会話する機会も増え、コミュニケーションにも慣れてこられたのでしょう」
■過去には献血に協力されていた皇族方も
地方ご公務でも、コミュニケーションでも、“受け身”ではなく、“攻めの姿勢”をとられている愛子さま。それは10月11日からの佐賀県ご訪問でも同様だという。
宮内庁関係者によれば、
「国民スポーツ大会にあわせて訪問されますが、石川県に代わって、佐賀県が愛子さまの単独地方ご公務デビューの舞台となります。
陸上競技や柔道などを観戦されるほか、佐賀県赤十字血液センターで災害時の被災者支援の取り組みについて説明を受けられるそうです。
日赤にお勤めの愛子さまが、地方の赤十字血液センターを視察されるのは非常に興味深いことです。愛子さまのご訪問で日赤の献血運動が注目されることは間違いないでしょう」
皇室は半世紀以上前から、献血運動の普及に尽力を続けてきた。
「’66年に常陸宮ご夫妻や高松宮妃喜久子さま、秩父宮妃勢津子さまらが日赤の施設で献血を行うことで、啓発活動に取り組まれたこともありました。
今回の佐賀県ではともかく、愛子さまも国民への啓発を図るため、近いうちに献血に臨まれる可能性は高いと思います」(前出・宮内庁関係者)
前出のつげさんも、愛子さまの血液センターご訪問の効果は絶大だと語る。
「日赤の調査によれば、令和5年1月から12月までの1年間で、佐賀県内の献血者数は九州地方ではいちばん少なかったのです。もちろん人口が少ないということもあるのでしょうが、前年と比べても微減しています。
愛子さまもそういったデータはお調べになっていると思います。愛子さまが血液センターを訪問されることで、佐賀県内での献血者数も増えるのではないでしょうか」
いま“攻めのプリンセス”愛子さまの、“現地で国民と苦楽を共にするための旅”が始まろうとしている。
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