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皆さんは携帯キャリアを月の途中に契約した場合、契約初月の料金はどうなるか知っていますか? 契約初月の料金は各社によってルールが異なり、1カ月のうち、どのタイミングで契約するかで請求額が変わります。そこで今回は携帯キャリアのお得な契約タイミングと注意点を解説します(料金は全て税込み)。
●各キャリアの契約初月の料金
まず、主要なスマホキャリアに月途中で契約した場合、基本料金と付与されるデータ容量がどうなるかまとめました。
多くのキャリア/プランが、契約初月の料金は日割り計算されます。9月のように30日まである月で16日に契約開始日を迎えた場合、請求額は基本料金の半額です。ドコモの「eximo」、auの「使い放題MAX」、ソフトバンクの「メリハリ無制限+」やmineoの「マイそく」といったデータ使い放題プランも日割り計算されます。
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なお、データ使用量に応じて料金が変わるプランの場合、キャリアによって対応が分かれます。楽天モバイルの最強プランは月途中の契約でも日割り計算されず、当月使ったデータ使用量に応じて料金が決まります。契約日が月末でも、当月中に20GB以上使えば請求額は3278円ですし、月初に契約しても使用量が3GB未満なら1078円です。
一方、LINEMOの「ベストプラン/ベストプランV」はデータ使用量に応じた料金が日割り計算されます。ベストプランで3GB以上使った場合の通常料金は2090円ですが、例えば契約開始日が9月16日で、月末までに3GB以上使った場合は1045円になります。
ちなみに、月途中に契約した場合もデータ容量は基本容量通りに全て付与されるキャリアが多いです。例えばY!mobileの「シンプル2(プランS)」を月末日に契約した場合、基本料金は日割り計算されて1日分しかかかりませんが、データ容量は基本容量の4GBがまるまる付与されます。当月使い切れなくても翌月に繰り越されるのでお得ですね。
ただし、IIJmioのギガプランは唯一、データ容量も日割り計算されて付与されるので注意してください。
●新規契約はいつ契約しても変わらない
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では、スマホキャリアの契約は、1カ月のうちいつがお得でしょうか?
新規契約(新しい電話番号で契約)の場合、多くのキャリアの料金は日割り計算されてデータ容量は全量付与されるため、いつ契約してもお得度は変わりません。好きなタイミングで契約してよいでしょう。
もちろん、契約開始日が月末に近いほど請求額は少ないものの、その分スマホが使える日数も減ってしまいます。また、「月途中でもデータは全量付与」「余ったデータ容量は翌月に繰り越し」の2つを利用し、月末日に大きめのプランを契約してすぐプラン変更申請しデータは翌月に繰り越す、といった上級テクニックもありますが、手間の割にメリットは少ない気がします。新規契約時は、お得なキャンペーンが実施しているタイミングや、欲しい端末の在庫があるタイミングで迷わず契約しましょう。
●MNPなら月末がお得
一方、MNP(番号そのままで他社から乗り換え)は月末がお得な場合が多いです。既に解説した通り、多くのスマホキャリアは月途中に契約しても料金は日割り計算されるため、いつ契約しても料金は変わりません。問題は解約になる乗り換え元キャリアの料金です。
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多くのスマホキャリアでは、月途中に解約しても料金は日割り計算されず、基本料金が1カ月分まるまる請求されます。いつ解約しても全額請求されるのであれば、月末ぎりぎりまで使った方がお得ですね。
例えばソフトバンクのメリハリ無制限+からmineoのマイピタ(5GB)に乗り換える場合で計算してみましょう。月の3分の1が過ぎた9月11日に乗り換えた場合、ソフトバンクの料金は全額、mineoは日割り計算で料金の3分の2が請求されるため、9月の合計請求額は7425円+1012円で合計8437円です。
一方、月末最終日の9月30日に乗り換えた場合、ソフトバンクの料金は全額、mineoは基本料金の30分の1が請求されるため、9月の合計請求額は7425円+50円で合計7475円です。ソフトバンクの請求額はいつ乗り換えても変わりませんが、mineoの契約日数が少ない分だけお得ですね。mineoは月途中の契約でもデータ容量は全量付与されるので、9月中に5GB使い切れなかった分は翌月に繰り越されます。
特に大手3キャリアの使い放題プランから乗り換える場合、データ使用量を気にせずに最後まで使える分だけ月末の方がお得です。月のデータ容量が決まったプランから乗り換える場合も、容量が余っている場合は使い切ってから乗り換えるといいでしょう。
唯一、mineoは月途中の解約でも料金が日割り計算されるため、mineoから乗り換える場合はいつでも構いません。
●月末ギリギリを狙うのは危険
前章の通り、MNPで乗り換える場合は月末がお得な場合が多いです。ただし、あまりに月末ギリギリを狙うのはオススメしません。
理由の1つ目は、万が一、月内に乗り換えが完了せずに月をまたいでしまうと、乗り換え元キャリアの料金がもう1カ月分発生して損になるからです。eSIMで乗り換える場合は即日乗り換えが完了するので月末でも構いませんが、SIMカードの場合は乗り換え手続きをしてから手元に届くまでに数日かかります。アップロードした本人確認書類の不備などで日数が更にかかることもあるので、あまりぎりぎりを狙いすぎず、余裕をもって手続きしましょう。
ちなみに、乗り換え元キャリアが解約されるのはSIMカードが届いて回線切り替えが完了したタイミングです。SIMカードが届いてもしばらくは乗り換え元キャリアの契約は続いたままなので注意してください。
乗り換えはほとんどの場合で月末がお得なものの、月内に乗り換えを完了できないリスクを鑑みて、遅くとも22〜23日頃までには乗り換え手続きをするのがオススメです。
●端末の在庫にも注意
もう1つ、乗り換えと同時に端末を購入する場合は端末の在庫にも注意しましょう。月末ギリギリまで手続きを引き付け、いざ契約するタイミングで欲しい端末やカラーの在庫がない、といったことになりかねません。
筆者も2度ほど苦い経験をしたことがあります。一度目は買う予定だった端末の在庫が切れ、泣く泣く別端末を購入しました。2度目は乗り換え直前で欲しいカラーが在庫切れになったため、「ケースをつけるからいいか」と無理やり自分を納得させて別のカラーを買いました。端末が届き、回線切り替えが終わった頃には欲しいカラーの在庫が復活しており、とても悔しい思いをしました。
他にも、月途中でキャンペーンが突如終了する可能性もあります。乗り換えは月末がお得な場合が多いものの、あまり意識しすぎず、余裕を持ったタイミングで早めに手続きしましょう。
以上、スマホキャリアのお得な契約タイミングの解説でした。特に乗り換えは月末がお得なものの、あまり意識しすぎず、思い立ったタイミングで早めに手続きするのがいいでしょう。それよりもキャンペーンや端末在庫をしっかりチェックするのをオススメします。
著者プロフィール
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
・X:@simlabo_jp
・サイト:https://www.simlabo.jp/
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