「NIKKE×エヴァ」コラボを振り返る  過去最大規模のボリュームと、感じた課題

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2024年10月01日 13:13  ねとらぼ

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ねとらぼ

8月から9月にかけて開催された「NIKKE×エヴァ」コラボ

 「勝利の女神 NIKKE(以降NIKKE)」で、エヴァンゲリオンコラボ「YOU CAN (NOT) EVADE.」が8月から開催されました。NIKKEで行われたコラボの中では過去最大のものだったと認識しているのですが、その内容はどのようなものだったのか。コラボが終わった今、過去のコラボや他のイベントと比べて振り返りたいと思います。


【その他の画像】


 NIKKEのコラボイベントや大型イベントは、普通「STORY I」「STORY II」と前半後半という形にストーリーが別れています。エヴァコラボはこれが「STORY III」まであるのです。2023年の水着イベントは「Blue Water isand」と「SEA, YOU, AGAIN」の2つに別れており、それぞれに「STORY I」「STORY II」があったのでさらに長かったのですが、今回のエヴァコラボは単一のイベントとしては最長といえるものでした。


 イベント期間も8月22日〜9月19日で28日と単一のイベントとしては最長の開催期間であり、ガチャから排出される限定キャラもアスカ、レイ、マリの3人でこれまた限定ガチャの内容としては最多。とまあ、大変気合の入ったコラボイベントだったという認識です。


●ボリューム満点ながら、首をひねってしまう描写も


 コラボシナリオはニケ世界にある学校を舞台としたものだったのですが、事前に2回連続でその学校と生徒を中心としたイベントシナリオが実装されており、ある意味それが事前説明のようなものになっていったため、それを含めるとさらに大規模なコラボでした。


 エヴァをモチーフとしてアレンジされたUIは大変凝っており見た目は楽しいものでしたが、肝心のイベントシナリオが個人的にはちょっと残念な感じでした。


 そもそもエヴァンゲリオンが出てこずパイロットが生身で戦う時点で相当無理があるのですが、その上でパイロットたちがニケと組んで使徒を模した敵と戦うことになるところまではまあ展開の都合として受け入れられます。ただ、その後パイロットたちとニケたちがもめたり、さらにはニケが敵を倒せなかったらどうしようとおびえて逃げてしまったりという展開に「なんだかだいぶ古いエヴァを見てる気がする」という印象が強くなっていきます。


 最新作の印象が強いところにツンツンとした性格のアスカがニケたちにつっかかっているのを見ると「マリもいるし映画のコラボだよね? これ“惣流”のほうじゃない?」みたいな気分に。最終的に巨大な粒子砲を作り、使徒を模倣した敵を迎え撃つという展開になるので「それがあるならエヴァのパイロットが生身で戦う必要なくない?」という気分にもさせられます。いろいろと「パイロットが生身で戦わないといけない」という理由付けはされているのですが。


 理屈はともかくデカい砲台で“第6の使徒”に似た敵を迎え撃つシチュエーションをやりたいのは分かります。しかしその辺りの話をなぞっている関係上、かえって「マリいらなくない?」みたいに見えてしまうのも厳しいところです。そんなわけで、私自身のエヴァという作品に対する印象からはだいぶズレた物を見せられた印象が強いお話でした。


 ただ、このような「古いキャラクター」「個人の思い入れが強く反映されたキャラクター」がお出しされてしまうことについてはニケのコラボの仕組み上納得させられるところがあるのです。


 ニケのコラボイベントは「ゲートキーパー」と呼ばれる謎の存在が異世界のデータを複製して存在させたものという建付けになっています。あくまでも複製であって異世界からの召喚とかではありません。この存在はゲートキーパーの夢とも言うべき存在であり、攻撃することでゲートキーパーを目覚めさせると複製は消えてしまいます。ある意味コラボイベントとしてはすごく都合の良い存在といえるでしょう。


 前置きが長くなりましたが、このゲートキーパーは「観測し記録したデータベース」から実体を生成しているので、「観測した時点のデータ」もしくは「観測者の主観が入ったデータ」から実体を生成している可能性があります。


 要は「アスカといえばこういうツンツンした感じの女の子だろう」というデータから今回のコラボキャラが生成されている可能性があるのです。とまあ「俺の中ではこうなんだよ!」という理屈を立てるには良い設定だなとは思いますが、それをこちらが受け入れられるかどうかは話は別なわけで……。


●こだわりを感じるビジュアル面


 一方、各種メニューのデザインも含め、ビジュアルへのこだわりは強く感じられました。各STORYのステージセレクト画面は元ネタである原作をうまく活用しています。


 ネルフ司令室を模したSTORY 03 NORMALやシンクロ率のグラフを模したSTORY 03 HARD辺りはわかりやすいのですが、ネルフ本部への入口を模したSTORY 02は第6の使徒戦前にシンジとレイがやり取りをする場所だと確認のため「劇場版:序」を見直していて気づいたので、ネタの細かさに感心させられました。


 キャラクターのビジュアルについても、3体の限定キャラクターに3種類の別衣装が用意されており、さらにアスカには「新劇場版:破」に登場したテスト用プラグスーツが存在しています。


 「コラボキャラは揺れない」というお話もありますが、そちらについてはそんなことはないと思いました。参考までに過去コラボキャラのニーアオートマタの2B、チェンソーマンのマキマ、Reゼロのレムと比べてみましたが、Reゼロはともかく他のキャラの揺れ方とそこまで大差はないように思いました。


 性能面においてはどのキャラもそれなりに高くはあるのですが、かと言って「引くか引かないかで攻略の難易度が変わるか?」と問われるとそこまでは行かないというバランスの良さを感じています。


 コラボシナリオについて思ったところを書いてきましたが、実際このコラボで始めたという人はいたのでしょうか。チェンソーマンコラボのときはタイムリーな時期もあって結構なプレイヤーの参入があったようですが、それらの人たちが今どれだけ残っているのかは気になるところです。


 コラボシナリオの後本筋が面白いと思えなければ継続は難しいと思うので、今後は上手いタイミングでコラボシナリオ→メインの更新や難易度の低下など、来てくれた人をうまく取り込むような施策も行ってくれればな良いかな、と思いました。


 なおコラボシナリオ以外のメイン部分や普段のイベントシナリオにはまったく不満はなく、楽しく遊ばせていただいております。今までもニーアコラボやReゼロコラボ、デイヴ・ザ・ダイバーとのコラボも大変楽しめたので、今回はたまたま自分の趣味に合わなかったということで、次回以降のイベント、とくに11月に待っている2周年に期待したいと思います。


(ライター:怪しい隣人)



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  • エヴァの原作でNIKKEの世界に行くエピソードは無いやろ? それはNIKKEの世界に行く設定のエヴァなんだよ、マルチバース的な別の世界線のエヴァ
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