父親「娘の服で間違いない」衣服に「喜三」の文字も… 能登豪雨で流された中3女子生徒か 輪島市から170キロ離れた福井沖で女性遺体見つかる【news23】

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2024年10月02日 12:24  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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福井県沖で見つかった女性の遺体。身に着けていた服が能登の豪雨で安否が不明となっていた中学3年生・喜三翼音さんのものであると父親が確認しました。

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「長袖長ズボンを着てくれと言ったのを守ってくれた」

翼音さんの父親 喜三鷹也さん(1日午後5時ごろ)
「娘の服で間違いないなと思いました。一日一日見つかって欲しいという思いで、なんとかいました。一生懸命捜索している方々信じて、絶対見つけてくれるだろうと、そういう思いで過ごしていました」

元日の地震から約1か月の映像には、再開した学校に通う翼音さんの姿がありました。

Q.みんなとどんなことをしたい?

喜三翼音さん(当時中学2年生)
「しゃべったりできたらいいなと思います」

豪雨のあと安否がわからなくなっている石川県輪島市の中学3年生、喜三翼音さん。懸命な捜索が行われるなか、30日午後4時すぎ、輪島市から約170キロ離れた福井県沖で女性の遺体が見つかりました。

遺体は身長約150センチで、ジャージを身に着けていたということです。そのジャージには、手書きで「喜三」と記されていました。

翼音さんの父親 喜三鷹也さん(1日午後5時ごろ)
「本当に見つかってくれてよかったです。とりあえず、今まで本当に捜索してくださった警察、消防、自衛隊、海上保安庁、地元の漁師さんには、この場を借りて本当にお礼を言いたいです。本当にありがとうございました」

当時、家族は外出中で、翼音さんは1人自宅で過ごしていました。心配した鷹也さんが連絡をとると、次のようなやり取りがあったといいます。

翼音さんの父親 喜三鷹也さん(9月22日)
「ビデオ通話で、道路に土石流が来ていた状況だったので、『もう部屋におれ』ということしか言えなかったです」

遺体が身に着けていた長袖のジャージは、鷹也さんが「寒くなるから着るように」と翼音さんに伝えておいたものでした。

翼音さんの父親 喜三鷹也さん(1日午後5時ごろ)
「あの濁流の中でビデオ通話していて、とにかく僕は長袖長ズボンを着てくれというふう風に言ったんです。僕の言うことをあまり聞かなかったけど、でも最後に僕が電話で長袖長ズボンを着てくれと言ったのを守ってくれたみたいで、長袖長ズボンを着ていました。僕の言うことを聞いてくれたんだと思いました」

祖父母思いだった孫 「ゆっくり休ませてあげたい」

2024年3月、金沢市で開かれた出張輪島朝市で、翼音さんは祖父母を献身的に手伝っていました。

翼音さんの祖父 喜三誠志さん
「もうね、出る言葉がない。高校・大学と7年ある。『7年間はじいちゃんばあちゃんの手伝いをずっとするからね』と言ってくれていた」

翼音さんは祖父母思いだったといいます。

翼音さんの祖父 喜三誠志さん
「片付けをしていつ戻ってきてもいいように、早く休ませてあげたいという準備はしています。1日でも1時間でも早く顔を見たい、ゆっくり休ませてあげたいと思っています」

福井海上保安署は、遺体が翼音さんの可能性が高いとみて、2日に司法解剖を行うことにしています。

今回の能登豪雨による死者は13人、安否のわかっていない人は2人となっています。

小川彩佳キャスター:
能登半島地震からは、10月1日で9か月になりました。この豪雨による被害も重なって、生活再建はさらなる遅れが懸念されます。そして雨の予報もあるので、二次災害が心配です。

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