9月30日、NTTインディカー・シリーズのサポートシリーズであるインディNXTに2023年、2024年の2年間参戦してきた女性ドライバーのジェイミー・チャドウィックは、所属チームのアンドレッティ・グローバルが実施したオフシーズンテストに参加し、初めてインディカーをドライブした。
イギリス出身のチャドウィックは、1998年生まれの26歳だ。12歳でカートのキャリアを開始し、初期はツーリングカーレースへの参戦を行っていた。その後、2017年にF1への挑戦を開始し、イギリスF3選手権に出走。ブランズ・ハッチでは勝利を収め、F3レースで優勝した初の女性ドライバーとして注目を集めた。
2019年からは、F1のサポートシリーズであるWシリーズに参戦を開始した。コロナ禍によって休止となった2020年以外のすべてのシーズンでチャンピオンを獲得して実力を示し、ウイリアムズF1では開発ドライバーに就任した。
そして2023年にはアンドレッティ・オートスポートからインディNXTへの挑戦をスタートした。
2024年第6戦ロード・アメリカで初のポールポジションを獲得。2番手との激しい争いを制してホールショットを奪った決勝レースでは、20周に渡ってライバルの接近を許さないスピードで首位を堅持し、シリーズ初の女性ウイナーに輝いた。
以降のレースでもコンスタントに上位を争ったチャドウィックは、27人中7位で選手権を終えた。この活躍を受けてアンドレッティ・グローバルは、7月末に彼女へインディカーをドライブする機会を設けることを発表し、9月30日にバーバー・モータースポーツパークでテストが実施された。
アンドレッティ・グローバルのドライバー同伴のもとでテストを行ったチャドウィックは、87周を走行し、1分8秒687のベストタイムをマークしている。エンジニアは、ラップタイムやフィードバックを評価しているが、とくに負荷がかかる高速コーナーでは苦戦していた様子を指摘しているようだ。
これまで長い歴史を重ねてきたインディカーには多くの女性ドライバーが参戦しており、アメリカ合衆国出身のダニカ・パトリックは2008年のインディ・ジャパンで唯一の勝利を飾っている。2024年シーズンには、イギリス出身のキャサリン・レッグがデイル・コイン・レーシングからエントリーしていた。
もちろんチャドウィックも、彼女らの背中を追ってインディカーへの挑戦を望んでいるひとりである。このテスト参加は、その進展への確かな一歩となるだろう。