限定公開( 16 )
少女漫画雑誌「ちゃお」で『きらりん☆レボリューション』を連載していた漫画家・中原杏がXを更新。自身の「ちゃお」の連載漫画に触れつつ、「ちゃおは目が大きければ大きいほど人気が出やすい時代があったのです」と発言。このポストは反響を呼び、現在約14万件のいいねを集めている。
少女漫画の特徴といえば、何といっても大きくてキラキラした目の描写であろう。「りぼん」「なかよし」「ちゃお」の三大少女漫画雑誌のなかでも、特に「ちゃお」がキャラの目が大きく描かれた漫画が多いといわれる。それは、「ちゃお」が3誌のなかでもっとも低年齢層の読者をターゲットにしていることと、関係があるのかもしれない。
今回の中原のポストに対し、ファンからは「下手したら顔のほとんど目だった」「顔面の2/3は目ん玉だった」「ちゃお世代なのであの目の書き方がもうデフォルトでした」などのコメントが寄せられていた。また、表紙に描かれたキャラの目の大きさのおかげで、本屋に並んでいる「ちゃお」は一際目立っているという指摘もあった。
さて、中原の『きらりん☆レボリューション』や『にじいろ☆プリズムガール』も確かにキャラの目が大きい漫画なのだが、「ちゃお」には他にも、顔の大半を目が占めているほど、インパクト抜群のキャラが登場する漫画があるのだ。「ちゃお」に掲載された懐かしの名作漫画を振り返ってみよう。
特に、ネット上で目が大きいとたびたび話題になるのが、五十嵐かおるの『いじめ』シリーズであろう。この漫画は小〜中学生女子のいじめをテーマにした読切のシリーズで、原則として毎回主人公が変わるが、最初は比較的標準的なサイズだったキャラの目が、回を重ねるごとに大きくなっていった。いじめという重いテーマを描いているが、目の大きさゆえに読者に感情がダイレクトに伝わってくる、という意見があった。
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また、和央明の『姫ギャルパラダイス』の美神とちおとめも、目の大きさで有名だ。この漫画は和央が生み出す奇抜過ぎるファッションセンスやギャグシーンでも知られるが、当時少女だった読者は、この漫画をどんな思いで読んでいたのか気になるところである。なお、とちおとめは、実は女装が趣味の男子である。
少女漫画のキャラクターは目が大きい。これは、手塚治虫が『リボンの騎士』を描き、その後、1960年代に雑誌や貸本漫画で少女漫画が発展していった時代から受け継がれている、一種の様式美といえる。それは女の子の憧れを具現化していると同時に、デフォルメと誇張によって豊かな感情表現を可能にしている、漫画特有の表現といえるのかもしれない。
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