子宮頸がんで闘病中の俳優・古村比呂(58)が3日、都内で開かれたエムスリー総研主催の「子宮頸がんワクチンに関するメディアセミナー」に登場し、予防と検診の違いを認識する重要性を語った。
【全身ショット】ふわふわワンピで登場した古村比呂 古村は、2012年1月の健康診断で「子宮頸部(けいぶ)上皮内がん」が判明し、3月に手術を受け子宮を全摘出。その後17年には子宮頸がんが再発、再々発。23年1月に腹部傍大動脈リンパ節にがんが見つかったことを公表し、現在、抗がん剤治療に取り組んでいる。
医師で「みんパピ!」副代表の木下喬弘氏によるトークセッションに立った古村はワクチンについて「子宮頸がんだと分かった翌年にワクチンの積極的勧奨がスタートして、予防できるんだとうらやましく思った。そう思ってた2ヶ月後くらいに積極的干渉が終わってしまって…。ワクチンを受けることでよくないみたいな衝撃的な映像もあって、ワクチンが怖いと刷り込まれてしまった状態でいます」と告白した。
それに対して木下氏は「がんを防げることはほとんどなく、科学的なエビデンスが確率している予防方法はほとんどない。子宮頸がんのワクチンが日本でほとんど打たれてない状況は、一人の医療従事者としてもったいない。予防できる病気なのだから積極的に接種いただきたい」と訴えた。
また、「病気について細かいことを相談したいのに男性の医師には言いにくい」という悩みも吐露。木下は男性であることを恐縮しつつ、「地域の女性の産婦人科に行ってもらうのが安心。また小児科の医師もワクチンに慣れているので、そこで相談してもらえれば」と案内した。
古村は「予防と検診の違いを理解したほうがいい。ワクチンは予防、検診はあくまで早期発見。その違いがわかっていれば、予防と検診の受け止め方は違う。私たち患者も予防と検診の違いについて学び直ししたい」と語り、予防の重要性について語っていた。
現在は6週間に1度、抗がん剤治療を行っているという古村は「PET検査ではガンが見つかってないので、良い状態。自分はそう思ってます」と自身の体調について語っていた。
そのほか、エムスリー総研所長の外海実氏による子宮頸がんワクチン接種の現状についての説明と同社独自の調査データの公表が行われ、今年8月末時点で17〜27歳までのワクチン接種率が49.5%であるということが示された。