自身の会社にダメ出ししたくなる瞬間はあるだろうか。薬剤師である北海道の60代女性は、かつて勤務していた個人薬局での、そんな体験を振り返った。
人材紹介会社経由で、その薬局に入社したが、
「紹介会社への手数料を値切るため、正社員のはずが額面は同じでとパートへ格下げされた」
と出だしから最悪だった。入社後の雇用形態の変更は、双方の合意があれば違法ではないものの、こんな理由を言われた女性は、本音では納得していなかっただろう。(文:天音琴葉)
「極寒地なのに休憩室の暖房は壊れたまま……」
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女性は「(店主が)ケチくさいのは、これだけではなく」と続け、次のように暴露した。紙ゴミは事業ゴミに出さず、古紙などを無料で回収してれる施設へ持って行ったという。処理手数料を節約するためだろう。
驚くことに、「個人情報の載った裏紙の再利用」があった、とも女性は打ち明けた。メモ紙にしていたのだろうか。この薬局は調剤も行っていたというから、個人情報の取り扱いは厳重でなければいけなかったはずだ。
クリーニングした制服が包まれているビニール袋を「ゴミ袋として再利用」するのはまだいい。だが、薬を分包する際に使う分包紙を「幅を狭くして節約」とは、いただけない。患者が不便な思いをしていたかもしれない。従業員にとっても快適とは言えない職場だった。
「極寒地なのに休憩室の暖房は壊れたまま、湯沸かしポットが無く簡易ガスでやかんで湯を炊く」
薬局でありながら衛生面にも問題があったようだ。
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「事業ゴミも溜めて出すので調剤薬局でありながらいつもゴミの臭いがしていました。ほうきなど掃除用具も買い替えないため床には黒カビまであり社長に相談しましたが患者に目のつく所ではないのでそのままにされました。ほかにもコンプライアンス違反で保健所の聞き取り調査が二度もあり1年で離職しました」
辞めて正解だっただろう。一方で何も知らない患者は気の毒だ。