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「手をつないでくれませんか?」。新幹線で隣の乗客から頼まれたら、あなたはどう行動するだろう。Xに投稿された漫画『9年前、新幹線で初対面のお兄さんに『手を繋いで欲しい』とお願いした話』は、そんな珍しいシチュエーションを描いている。
約8万のいいねを集めた本作を描いたのは、ぼめそさん(@bomesodays)。育児エッセイを定期的にポストしている彼女が本作を9年を経て形にした理由とは。(小池直也)
――このバズを受けて、ご自身としてはいかがしょう?
ぼめそ:Xは漫画を淡々と投稿する用途で使っていて、頻繁には見ないので気付いた時に驚きました。閉所恐怖症の症状を描いた作品が珍しいこともあり注目してもらえたのかなと思います。
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――なぜ9年越しに漫画にしたのですか。
ぼめそ:現代はSNSによって繋がるご縁もあるじゃないですか。だから当時言えなかったお礼として、その人が読んでくれたらいいなと思って思い出しながら描きました。お兄さんの身バレ防止のために若干の脚色も加わえています。
――ご自分の病気をエッセイにすることに対して、躊躇などはありましたか。
ぼめそ:今は病気も落ち着いて、メンタル面でも回復して日常生活に支障はありません。もし治っていなかったら難しかったかもしれないですね。
――新幹線で隣の人から「手を繋いでほしい」と言われたら、驚きますよね。
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ぼめそ:人によってはトラウマになってしまうかもしれません。あとは「こういう時はこう対応すればいいのか」という意見もあれば「突然知らない人に言われたら怖い」という意見もありました。
パニック障害や閉所恐怖症を患っている方からは共感の声もあったり、自分と違う症状だから「それはパニック障害じゃない」と言われたり……。賛否はありましたね。
――ネガティブな意見が見えると、精神的にも大変な面があると思います。
ぼめそ:私にも考えがあるし、他の人にも色々な考えがある。なので、わかり合えないことで生じる意見の押し付け合いは避けたいですね。「そういう意見もあるんだ」と気にしすぎないようにしています。
――もし再びお兄さんに会えたらどうします?
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ぼめそ:実は投稿した次の日に本人が読んでくれて「あの時の方だったんですね」と直接DMのやりとりができました。そこでお話し、気持ち程度のお礼もさせていただいて。「探してほしい」という意味の投稿ではないこともあり、SNSで報告はしていませんが、そんな嬉しい出来事もありました。
――作画面で意識したことは?
ぼめそ:普段からあまり意識せず描いています。強いて言えば今、定期的に描いている育児短編漫画に比べるとキラキラ感は出しませんでした(笑)。自分のなかでは美談という感じもないので。
――生活における、子育てと漫画制作の占めるバランスについても気になります。
ぼめそ:基本的に娘が家にいる時は仕事をしないようにしています。育児エッセイは思い出を作品に落とし込む作業なので、思い出をしっかり残すのが先。だから、まず子どもたちを見ていたいですね。
――今後の展望を最後にお願いします。
ぼめそ:エッセイ漫画も続けつつ、連載漫画も描きたいです。今は作画コストが高い画風なので、きれいに見えつつ少し抑えた形で効率を上げていければ。描くなら自分や家族、友人などの体験談をベースに脚色を加えた内容にしたいと考えています。
(小池直也)
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