飲食店オーナーと開業希望者をつなぐマッチングサービス　吉野家HDの子会社が開始

　吉野家ホールディングスの子会社であるシェアレストラン（東京都中央区）は10月3日、飲食店を任せたい人と引き継ぎたい人をつなぐマッチングサービス「アトツギレストラン」を開始した。飲食業における経営者の高齢化や後継者不足、採用難という課題に着目し、サービス開始に至った。

【画像】アトツギレストランの仕組み

　飲食業では後継者を求める声がある一方、開業希望者がいても資金不足などの理由から開業に至らないケースがある。また、融資を受けて事業継承しても、参入障壁が低く競争が激しい業界であることから、事業が軌道にのらなかった場合、再挑戦することが難しいケースもある。

　アトツギレストランは、店の看板やメニューは残したい飲食店オーナーと、店舗経営やノウハウを吸収して店を引き継ぎたい開業希望者のマッチングをサポート。飲食店オーナーと開業希望者のマッチング後、飲食店オーナーは開業希望者の働きぶりを見て店を任せられる人かどうか検討。開業希望者は、店舗経営やノウハウを吸収しながら店を継ぐか考えられる。

　飲食店オーナーは最低6カ月の契約期間を経て、7カ月目以降に後継ぎとしてふさわしくないと判断した場合は、その後の利用を断ることも可能だ。開業希望者は、アトツギレストランの公式Webサイトから飲食店を検索。希望に合った店舗で、オーナーから手ほどきを受けながら店舗経営をスタートできる。

　初期投資は不要で、店舗ごとに月額料金を設定。ランチだけ、ディナーだけ、週末だけといった時間指定をできるプランや、毎日フルタイムのプランなど複数のプランを用意した。同社は「街の資産である老舗飲食店が廃業することや、開業希望者が一度の失敗で立ち直ることができない現状を払拭する一助となれば」とコメントした。