「俺の子ども産んで。40万渡すから」農家の男性に言われて…ドン引きした30歳女性の“まさかのその後”

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2024年10月05日 16:10  女子SPA!

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北海道の自然豊かな風景(写真:今回取材した綾香さん提供)
こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。私自身が“完全なる非モテ”から脱出した経験から、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」を発信しています。

8月末、東京23区の女性が結婚で地方に移住した場合、60万円支給する施策を政府が検討していると報道されました。すぐさまSNSなどで炎上し、結果的に制度は白紙になりましたが、実施されなくて本当に正解だったと思います。私自身も男性・女性を問わず多くの結婚希望者を見てきた経験から、今回の60万円施策は的外れすぎて呆れています。そもそも、地方の男性と都会の女性の間には深く大きい溝があるのですから。

そこで今回、数年前に筆者のところへご相談に来られた綾香さん(仮名・30代)に取材することにしました。首都圏出身の綾香さんは、自然が好きで農学部を卒業、お相手のエリアにこだわらず婚活して北海道の人ともデートをしていたのです。

そんな彼女が、「60万円のために移住婚する女性はいないと思います」と断言する理由とは――。

◆首都圏の20代女性と、地方の男性の埋まらない溝

綾香さんは20代の頃に3年ほど、北海道の農業関係の会社で働いていたそうです。そこは札幌から100キロ以上離れた田舎町でした。自然豊かできれいな景色や動物が見られて、ドライブも楽しい土地だったといいます。しかし、人間関係には問題がありました。

「2015年頃なのにまだお茶くみがあり、女性の仕事でした。私は総合職で就職していましたが、私を含め女性社員は『おい、これやっておけよ』と男性社員から当然のように雑用を振られるのです。

そこの人たちはとにかく飲み会が好きで、二次会、三次会まであるのが普通。注文取りのまとめなどは女性がやらされるのが暗黙のルールでした。私が一次会で帰ると『仕事だから最後までいないと』と昭和のようなことを言われました。

飲み会の最中に手をつないでくる男性が普通にいてセクハラが横行しているし、手を握るぐらい笑って返そうよという雰囲気でした。

産休の制度はあったけれど、利用した女性社員が誰もいなくて、女性は結婚したら辞める雰囲気でした。そうでなくても、優秀な女性より、年功序列でボーっとしている40代男性社員の方が出世するので、女性は辞めちゃうんです」(綾香さん、以下「」内同)

どうやら彼女がいたのは、30〜40年前の感覚のまま止まった社会だったようです。

◆うわさ話が大好きな人たちは、いつも他人のことを詮索

綾香さんが違和感を覚えたのは企業体質だけではありません。会社の外でも、初対面で「結婚してるの? 子どもはいるの?」と聞かれるのは当たり前。首都圏で暮らしていればあまり経験はしないことですよね。

当時綾香さんは、親しい取引先の人と食事をする機会がありました。その場に、綾香さんと同じ20代の地元農家の長男が連れて来られたことがあったそうです。

「今思えば、お見合いのようなものだったのかもしれません。でもその農家の長男、会食の場で『◯◯ホテル(ビジネスホテルチェーンの名前)は風俗嬢を呼べないからさ』とシモネタを言ってたんです」

こういうレベルのシモネタを女性の前で言う男性は、割といたそうです。首都圏でのできごとならドン引きでしょう。

綾香さんが暮らしていた街は人が歩いているだけで誰かに見られ、「綾香さん、〇〇にいたでしょ」と言われることもあったとか。「〇〇の奥さんが浮気をした」「〇〇さんのところは死産だった」「あそこは離婚して娘が出戻りだ」こんなうわさ話が当然のように流れるのだといいます。

周りには、ウィンタースポーツ、狩猟、パチンコ、飲み会が趣味といった人が多く、どちらかといえばインドアで文化的な趣味を持つ綾香さんは、話の合う男性にあまり出会えなかったそうです。気配りができる素敵な男性はもちろん田舎でもいたものの、そうした男性はほぼ例外なく結婚していました。

◆5時間かけて会いに行った男性は、男尊女卑のかたまり

その後、綾香さんは北海道の会社を辞めて東京で働き始めます。30歳の時、マッチングアプリのPairsに登録しました。

「特に近場の男性にこだわっていたわけではかったので、いろんなところに住んでいる男性とマッチングしました。その中で北海道で農家を営む、タケル(仮名)という28歳の男性とマッチングしました。

彼は高校卒業後に東北地方で働いた経験があって、その後、実家に戻って農家を継いでいました。本州で働いた経験があるなら、前時代的なところは少ないかもしれないと思ったんです」

Pairsでメッセージをしている時は楽しく、通話をしたときも盛り上がったそうです。綾香さんは長期休暇を利用して、彼の住む北海道へ会いに行くことにしました。片道5時間ほどかけて。

◆「子どもを産んでくれ」からの「とんでもないLINE」

実際に会ってみると、彼は地元の観光地を案内するなどもてなしてくれたのですが、気になることが見えてきました。

「『服はおしゃれだけど、腕が立派だね〜』と、私の体型をいじってきてモヤモヤしました。付き合ってもいないし初対面なのに肩を触ってきたり、スキンシップは多かったです」

二人は事前にInstagramでつながっていました。大学時代にアメリカへの留学経験がある綾香さんは、英語でやり取りできる友達も増やしたいので、英語でインスタをあげていました。ところがそのことについて、タケルさんは「英語はやめてよ」と言うのです。

付き合ってもいないのにまるで「俺のもの」と言わんばかりで、モラハラ臭がしますね。

タケルさんからはさらに、「子どもを産んでくれ。40万渡すから、それで家のことはやってほしい」とも言われたそうです。

「もし結婚したら無償の労働力として期待され、農業と家事でこき使われると思いました。

家に帰るとタケルから『おっぱいの写真を送って』とLINEが来てさらにドン引きして、次の男性を探そうと決意しました」

◆綾香さんと農家男性の「意外なその後」

新しい出会いを求めた綾香さんはその後、北関東に住む東京出身の男性とマッチングしました。その彼は転勤で北関東に来ており、東京に本社がある企業に勤めています。二人の中間地点で会ったり東京でデートをしたりを繰り返し、お付き合いに発展し、結婚したのです。

「夫は分娩費用も出すし、自分も育休取得するから子どもが欲しいと言って、それを実行しました。私に家事を期待することもないし、裏表がない人格者だと思います」

綾香さんは現在、お子さんも生まれて東京のベッドタウンにお住まいです。

ちなみに出産にかかった費用を聞いたところ70万円超。冒頭の移住婚支給額を軽く超える額です。

◆「60万円のために移住婚」がまったく現実的でない理由

そんな綾香さんに、「移住婚したら60万円支給」について印象を聞いてみました。

「それがきっかけで地方の人と結婚する人はいないと思います。例えば私は無痛分娩で出産しましたが、もし例の北海道の農家の男性と結婚していたら、近場にそんな医療機関もなかったと思いますね」

なお、綾香さんは今も北海道農家の彼と、Instagramではつながっています。その情報によると、彼はその後結婚して子どもも生まれたようです。お相手の女性は、東北地方在住のようでした。

都会の女性と、都市部を除く地方の男性との結婚は、難しいのではないでしょうか。よほど想い合っていれば話は別ですが。都会の女性の方が、地方の男性の価値観や事情に合わせるメリットがないと思うのです。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

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  • やる気も努力も能力も無いんだから丁度よい場所丁度よい相手と収まってよかったね
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