10月5日、2024年MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラスのスプリントが栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、レプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニは13位、ジョアン・ミルはリタイアとなっている。
ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は14位、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)はリタイアで2日目を終えた。
第16戦日本GPは2日目を迎え、午前のフリー走行2回目はウエットパッチが残るコンディションで始まった。レプソル・ホンダのふたりはハード/ソフト、ザルコはミディアム/ソフト、中上は前後ソフトでコースイン。前半は4人ともロングランを行った。
セッション後半に入り、2回目のランを行った中上は、ミディアム/ソフトに変えてコースイン。すると、残り4分頃にザルコが6コーナーでクラッシュを喫する。マシンの損傷も大きく、予選はスペアのマシンで走ることとなった。ミルは終盤にイエローフラッグの影響を受けるも前半に出した1分45秒491で13番手、ザルコは1回目のランの1分45秒741で16番手。マリーニは最終アタックでタイムを更新し、1分45秒873で18番手、中上が19番手となった。
続く予選Q1は、小雨混じりの気温21度、路面温度24度と低温のドライコンディションで始まった。中上は唯一のミディアム/ソフトでコースインし、他3人はハード/ソフトでタイムアタックに向かう。最初のランを終え、ザルコが3番手、ミルが9番手、マリーニが10番手、中上が13番手と続いた。
2回目の計測では、ホンダ勢もタイムを更新していくが、他のライダーの上げ幅には届かない。1分44秒302のザルコがホンダ勢トップになるものの、2番手に0.297秒差でQ2進出を逃すことに。最終的にザルコが16番手、ミルが17番手、マリーニが20番手、中上が21番手からのスタートが決まった。
12周で争う午後のスプリントは、小雨が降り完全なドライではないもののスリックタイヤで走るほどのコンディションとなった。ホンダ勢は全員ハード/ソフトを選択した。
スタートでは、ミルが15番手に、マリーニが19番手にポジションを上げたが、LRCのザルコは17番手、中上は22番手とひとつ後退する。その後、オープニングラップの11コーナーでミルとザルコがオーバーラン。ミルはグラベルに飛び出し転倒、再スタートできたが最後尾に後退となった。ザルコは20番手で合流し、マリーニが16番手、中上が19番手に浮上し2周目へ突入していく。
その後、LCRの両ライダーはロレンツォ・サバドーリ(トラックハウス・レーシング)を攻略。上位を走るライダーの転倒もあり、中上が17番手、ザルコが18番手に順位を上げた。
中盤に差し掛かった5周目、2コーナーで中上の内側に入ったザルコがイン側を維持できず膨らんで接触。中上は転倒し、マシンも大きく損傷してしまう。中上はその場でのリタイアを選ばず、バイクをピットへ戻す強い思いで再スタート。しかし、レースに復帰することは叶わず、そのままガレージでリタイアを選択した。また、ザルコはこの接触でロングラップペナルティを課されたが、順位を落とすことははなかった。
終盤の残り4周、ザルコがアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)をオーバーテイク。上位ライダーのリタイアも重なり、マリーニが13番手、ザルコが14番手まで浮上した。序盤に転倒があったミルは、最後尾で走行を続けたが、最終周を前にピットインしリタイアを選択した。
マリーニとザルコは最後までポジションを維持し、それぞれ13位、14位でチェッカーを受けた。ホンダにとって不運が重なる土曜日のセッションとなったが、決勝日はドライの予報でまたコンディションが変わる可能性もある。明日の決勝までさらに最適化を進められるか、彼らの走りに注目だ。
■ジョアン・ミル(予選:17番手、スプリント:リタイア)
「順位を見て動揺するのは簡単だけど、今日起こったことを考えれば、ポジティブな1日だった。1周目はターン10でハイサイドを起こしそうになり、ターン11では止まりきれずにグラベルに突っ込んでしまった。立て直して、2、3周後には自分の持てるスピードを出すことができた。自分のペースにはハッピーだと言わなければいけないね」
「スピード自体は、トップ8で戦っているライダーたちと同じだった。グリッドポジションが上がれば大きな助けになるだろう。決勝日は今日のようなスピードがあれば、長いレースでも自信があるよ」
■ルカ・マリーニ(予選:20番手、スプリント:13位)
「僕のペースには驚いている。前のグループと非常に近かったし、ポジションも言うほど悪くない。初日やスタートを振り返れば、今日には満足すべきだからね」
「このコースのレイアウトが僕らにとって厳しいことは分かっていたけれど、戦いながら鍵となるような進歩もできた。あとは他のライダーたちのデータをチェックして、彼らの走りの違いを確認する必要がある。もう一歩前進するため、明日の朝にまだ試さないといけないことはある。けれど、今僕たちは毎レース進歩できているよ」
■ヨハン・ザルコ(予選:16番手、スプリント:14位)
「今日はレース序盤でミスをしてしまい、それを挽回しようとしてチームメイトをコース外に押し出してしまった」
「彼をオーバーテイクしていたけどうまくいかなかったし、それがチームメイトならなおさら格好悪いことだ。彼には謝罪をした。自分のしたことを謝ることもレースの一部だ。明日また頑張るよ」
■中上貴晶(予選:21番手、スプリント:リタイア)
「スプリントの終わり方にはがっかりしています。チームメイトのリスキーな動きで、グラベルに乗り上げてしまいました。幸いなことに僕は元気です」
「ホームグランプリですし、明日はまたチャンスがあるので、戦う準備をする必要もあるので、リセットしたいです。ファンとチームのサポートは僕にとって大きいものですし、感謝したいです」