水中で横向きや逆さになって「転覆病」のような症状で泳ぐ淡水フグの動画が、X上で注目を集めている。飼い主によると、病気になった理由は「卵の時にフラッシュ撮影で強い光を浴びたから」だと推測されるという。SNS上では「水族館でフラッシュ撮影が禁止されていることに関係するのかな。気を付ける」「こんな弊害があるのか…」と反響が集まっている。
卵時にフラッシュ撮影で強い衝撃
投稿したのは、京都市内の民間団体「京都淡水フグ研究所(@puffers_island)」。運営者の西村俊也さんによると、淡水フグは川や湖、池など、塩分のない淡水域を生活の場にする。世界に30〜40種類おり、成魚で3センチにしか満たないインド種や、60センチにまで成長するアフリカ種など、さまざまという。転覆病は金魚でよく確認される病気で、泳ぎが不安定になり、横向きになったりひっくり返ったり、沈んでしまったりするという。淡水フグの場合は、内臓疾患によるものが多いそうだ。
動画の個体はアフリカの「ショウテデニィ」で、約6センチ。繁殖を行っているうちにフラッシュ撮影の影響に気付いたという。「転覆病になったのではなく、あくまで転覆病と類似した症状です。卵の中の細胞がものすごいスピードで増える中で、体組織、脳や眼球を形成中にフラッシュという強い衝撃を加えると、眼球や脳の形成を阻害させたのだと考えています。卵時のフラッシュ撮影をやめたところ、症状を起こす個体数が激減したので」と説明する。
販売できないため、自宅で可愛がることに。転覆病の症状に似た動きをするため、「転覆ちゃん」と名付けた。
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水族館のルールに従いましょう!
水底で横向きになりながらも、飼い主が水槽の外から指を振ると、水槽にぶつかりながら浮上してくる動画を投稿すると、反響は続々。「水族館のフラッシュ撮影禁止はこのような事態が起こるからですか?」との質問もあり、西村さんは「極稀に、暗い場所に住んでいる種、砂に潜ることが多い種などで失明してしまう種もいます。水族館のルールに従いましょう」と答えた。
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現在、京都淡水フグ研究所では1000匹以上のフグの幼魚を管理し、数々の繁殖に成功している。淡水フグはオンラインで販売中。
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
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