自民党総裁選を「全女視点」で考察してみたら...ひとびとが釘付けになったのも納得?

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2024年10月07日 07:20  週プレNEWS

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長らく「ブック型政治」だった自民党内において、いわば傍流の「ピストル」的な存在であり続けた石破氏がついに総裁に


あらゆるメディアから日々、洪水のように流れてくる経済関連ニュース。その背景にはどんな狙い、どんな事情があるのか? 『週刊プレイボーイ』で連載中の「経済ニュースのバックヤード」では、調達・購買コンサルタントの坂口孝則氏が解説。得意のデータ収集・分析をもとに経済の今を解き明かす。今回は「自民党総裁選」について。

*  *  *

私が就職した2001年。「自民党をぶっ壊す」と叫んだ小泉純一郎さんが自民党総裁、そして首相になった。小泉内閣は自民党だけではなく既得権益に対する「クラッシュ・ガイズ」として日本を席巻した。

小泉首相は名レフリーの阿部四郎さん並みに、ただちに派閥政治に3カウント=死亡宣言を行い、前例にとらわれず女性閣僚の人数を過去最高にし、民間から抜擢(ばってき)を続けた。自らヒールを買って出て改革を進めた。

2005年には身内の造反により、「改革の本丸」と位置づけていた郵政民営化関連法案が参議院で否決されると、なんと衆議院を解散してしまった。小泉首相は自身を、地動説を唱えたガリレオ・ガリレイになぞらえ、焦点を一つに絞り、そして大勝利をおさめた。

劇場型というよりリング型。前任の森喜朗首相と2004年までの福田康夫官房長官は「ビューティ・ペア」とまではいえないが、小泉首相と改造内閣で登場した竹中平蔵総務大臣、安倍晋三官房長官らは、チェーンで既得権益者の首を絞める、あるいはエビ固めをキメる「ベビーフェイス」のように見えた。

さて先日、自民党の総裁選挙が行われた。以前の総裁選は派閥の影響がきわめて大きく、勝者がわかる「ブック」的展開だった。フォール時に政治評論家も大きく外さなかった。

しかし今回は結末が読みづらいぶつかりあいだった。

代わりに各候補者のギミックがメディアで大きく報道され、下手なドラマよりもストーリーラインが面白く、自民党員ではない人をも巻き込んでメディアをジャックした。

最後の最後まで石破茂さんの勝利を自信満々に予想する人はいなかった。抗争、裏切り、怪我、友情破綻、師弟関係、フィクサー。なるほど、あれはどこかの団体の騒ぎを見せられていたのだ、と思えば、ひとびとが釘付(くぎづ)けになったのも納得がいく。

松永兄弟......じゃなかった、菅義偉さんと麻生太郎さんらの駆け引きを含めて、プロレス的だったというべきか。

ところで、石破茂さん。私は氏の書籍を何冊か拝読し、テレビ番組で一度だけお会いしたくらいの知識しかないが、誠実で読書家で、さらに保守というより、現実的でリベラルな中道のイメージをもっている。

解雇規制にはさほど賛成ではなく、むしろ法人税を高めることで、企業に「税金を払うくらいだったら設備投資や賃上げをしよう」と思わせるよう仕向けるようだ。経済面では石破さんは地方創生に熱心のようだ。これはご自身が鳥取県出身ゆえだろう。

私は、けっきょく国を変えるのは地方の人だけ、という石破さんの主張は面白く感じる。明治維新を例に出すまでもない。利権と既存のビジネスモデルにがんじがらめにされた都心の人間ではなく、地方で誰もが想像しなかった事業を作る人が改革の主役だ。

だから石破さんのなかでは、地方創生は地方を助けるというより、国を刷新するダイナミズムの一環というわけ。

企業人としては、首相になってからどのような成長戦略を出してくるか注目している。総選挙もある。個人的には「わかんねぇもんだな。芽が出ないって主流派を追い出された人がこの日本沸かすんだから」と言われるくらい大胆に政治の世界でもピストルやってほしいと思う。

写真/時事通信社

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  • オイラはクオータ制を一貫して主張している。  公認候補、閣僚を2割以上義務付けるべきだ。
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